記憶喪失〜知りたい欲望 - 物語
恋文
大塚光圀、加藤正輝、さらには百田進士は、時代錯誤な部分を持った男性である。

その一人、百田進士を美音は待っている。

「向井地さん。おはようございます。廊下も暑いでしょうに、どうしました?」

進士がやってきたところで、美音は封筒を取り出し、進士に押し付けた。

「百田さん。お家で読んでください。お礼状です。」

「分かりました。」

進士の掌中に美音からの手紙が収まった。



進士は手紙の中身が気になって、家に帰るや否や封筒から便箋を取り出し、目を通した。

「百田さんへ

私は今回の事故で貴方のことを忘れてしまいました。

入院生活の中で、貴方が面会に来るのを楽しみにしていました。

貴方のことを知れば知る程、ひかれている私がいました。

私、向井地美音は百田進士さんのことが異性として好きです。

アイドル活動に支障を出すつもりもありません。

返事を聞かせてください。向井地美音。」

手紙を読み終えた進士は一息ついた。

進士は美音を思っていて、美音からの手紙に自分が好きと書かれていれば、答えは両思いであるが、進士は美音と距離を置くべきと考えていた。

「向井地さん。時間、大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。百田さん。」

「手紙の返事がしたいと思って。向井地さんの気持ちは嬉しいけど、向井地さんにはもっと良い人がいると思う。」

「じゃあ、どうして、面会に来たんですか?」

「・・向井地さんが担当アイドルだから。あの日は大塚さんが守ってくれた。けど、本来は俺が守らないといけなかった。ただ、それだけだ。」

「分かりました。また、明日。」

「あぁ、また明日。」

通話を終えた進士はスマートフォンを充電器に繋ぎ、ベッドに潜り込んだ。

「向井地さんは守らないといけない人で、好きになるなんて、どうかしている。」

モヤモヤしている進士なのだった。

■筆者メッセージ
モヤモヤしているのは私です(^_^;)
上が週ごとに休みをお知らせしてくる。→働き方改革の影響で休みを与えると通知(出勤が週末のみの予定)→火曜日の夕方に水曜日以降の出勤を言い渡される→火曜日に予定が入っている影響で、自宅にいる。水曜日以降に旅行の計画を立てていてもおじゃんになる。(ご破算になる)→旅行に行けない→悪循環である(T_T)
珠理奈の話を作りかけての悪循環の影響で、八つ当たりしている感覚に陥って、こっちを完結させることにしました(^_^ゞ
光圀 ( 2019/08/30(金) 10:33 )