出会い
釘差し
莉乃の元に尾崎さんから連絡が入った。

「さ、女将さん。大塚君に連絡がつかないんだけど、何か知っているかい?」

「お父さんなら、太平洋戦争の資料集めに長崎へ行っています。」

「相変わらずじっとするのが苦手だな。」

「ただ夕方には家に電話してくるんですよね。」

「お前達、まだ新婚状態かよ。」

「何か言伝があるなら、言いますけど。」

「否。人柄的に腹を切ってなければ問題ない。」

光圀は光圀なりに謹慎期間ではあるが、楽しんでいるようだ。



関東に話を戻すと、横山由依が美音と病室で向かい合っていた。

つい先程まで進士が面会していたが、追い出されていた。

美音のベッドには進士のお見舞いのケーキが置いてあり、遠慮なく食べろという鶴の一声で美音はケーキに手を伸ばしていた。

「なぁ、美音。美音って百田さんのこと、好きなん?」

口の中のケーキをご丁寧に美音は水で流し込んで、口を開いた。

「悪い人じゃないと思うんですけど、あの人のこと覚えていないんで、好きか嫌いかって言われてもまだピンと来ません。」

「そんなら、今の気持ちのままでおってな。マネドルカップルは二組で終わりや。三度目の正直にせんと。それに総監督まで彼氏マネージャーって、他のメンバーに示しがつかん。」

「あの、横山さん。横山さんは百田さんのことをどれ程ご存知で・・?」

「知らへんけど、磯野貴理子さんが苦労されたやろ。さしこや彩ちゃんが今は幸せかもしれんけど、その内離婚するんちゃうかって心配でな。・・・」

さすが、コントで疑心暗鬼戦士という役をやっただけあって、横山由依は心配性なようだ。

「横山さん。時間大丈夫ですか?」

「面会時間終わりか。明日、仕事やからまたどっかで来るわ。」

「はーい。」

(あれ?私、なんで時間なんて言い出したんだろ?)

美音は、進士にケーキのお礼を告げるべく、病室を抜け出した。

「百田さん。ケーキ、美味しかったです。ただ、毎回お見舞いの品があるのも百田さんの負担になりませんか?」

「お気遣いありがとうございます。でも、手ぶらで面会に行くのは僕には出来ません。」

「解りました。失礼します。」

美音は病室へ戻ると、進士メモに律儀な人?と記入した。


■筆者メッセージ
病室は個室。
病室外ではマスク着用。
夜間は病院に許可を得て、SPが護衛にあたっています。
光圀 ( 2019/07/04(木) 02:30 )