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観察日記A
アフターVD
あれから彩は、エプロンを外し、水着の上から普段着を着込んだ。

「正輝の家、知らんのが裏目に出たな。」

チョコレートを再加熱し、液状にしなおし、具材に塗りこみ、冷蔵庫に寝かした。

彩は、正輝が置いていったチョコレートを開け、口に放り込んだ。

「苦っ。正輝。」

正輝のチョコレートはビターチョコレートだった。



2月15日。この日は劇場公演。つまり、正輝と彩は必然的に会う日だ。

(いつもありがとうな。ほい。チョコやるわ。)

今日の彩はメンバーとして、渡すだけである。

彩の目に飛び込んできたのは、メンバーに囲まれている正輝だった。

その表情は思い切り笑っていた。

(正輝なんて知らん。)

控え室とは別の場所に移動し、彩はマネージャー正輝用に作ったチョコレート菓子をやけ食いしだした。

後、一つというところで彩の視界に正輝が飛び込んできた。

「山本さん。探したよ。」

正輝の表情は困惑の表情と安堵の表情が入り混じっていた。

「何しに来たん?」

「山本さんを探しに来たんや。キャプテンがいーひんと・・ん。急に何を?」

正輝の言葉の途中で最後の一個を彩が正輝の口に放り込んだのだ。

「加藤さん。一個だけ聞いてえぇ?・・私のこと、好きか嫌いか選択するなら、どっちや?」

「僕は、嫌いやない。・・早く戻りますよ。」

言葉を発した正輝の耳が赤くなっているのが答えと思い、彩は腰を上げた。



劇場公演が終わり、彩を正輝が送迎する。

「加藤さん。ここまでな。」

「あ、はい。・・彩。チョコ、ありがとう。」

「いつも世話になっているから、当然や。」

そこに場違いな着信音が鳴り響く。

正輝は、マネージャーモードに戻り、口を開く。

「山本さん。気をつけて、帰ってな。」

「あ、はい。」

正輝の姿が見えなくなると、彩はスマホを確認した。

そこにはメンバーからのラインがあった。

『彩(さや姉)へ。加藤(正輝)さんにチョコレート持っていったら、義理か?って聞かれた。後、本命やったら受け取らんとも言われた。加藤さんの意中の人って誰やろうな?〇』

皆、ほとんど同じ文面で最後はにやけ顔の絵文字をつけてきていた。


■筆者メッセージ
嫉妬する彼女と警戒する彼氏。
今日のチョコレートは義理であり、本命である。
ヘキサゴンで悶々としたメンバーの話を書いているので、タイトル全部英語にはしませんでした。
光圀 ( 2018/12/10(月) 11:22 )

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