家計簿
今日の光圀は本業である支配人としての業務で天神、西鉄ホールにその姿があった。
休憩時間、昼食を済ませると光圀は下の階にあるメトロ書店へ家計簿を買いに行った。
光圀は母親が死んで以来、きちんと家計簿をつけていた。
共同生活時代も当然つけていて、メンバーが読んで、光圀の良い人ぶりを確認したほどである。
大塚家は莉乃との関係が関係だけに、莉乃に光圀が頭の上がらないかかぁ天下なのだが、俗に言う財布を握っているのは光圀の方だった。
ファンは推しに似るというべきか、似た者夫婦というべきか、ブログを書いていた莉乃に対し、光圀は家計簿の下の部分に日記を書いていた。
光圀はときどき家計簿及び日記欄を読むのが趣味だった。
共同生活時代の千尋、芽瑠に莉乃で回転寿司に行ったときのもの。
『千尋と芽瑠に謝罪したとき、二人が同時に俺を許してくれて、嬉しかった。莉乃も加わったら、本物の家族みたいになって、尚更嬉しかった。』
バレンタインデーのとき。
『今日のディナーはお寿司。莉乃の分を食いしん坊娘達が食べてしまわないか心配だ。最近、莉乃のことばかり考えているのは・・・。』
マネージャーになったとき。
『中学生達にちゃんと教えられているかな?指原さんの為にも、これから頑張らないと!』
入院生活(レシートの裏側に書いていた)のとき。
『穴井に手紙が見つかった。と同時にアイツで良かったと思った。』
退院後
『今日は兒玉の相手をした。別の女性を頭に浮かべてしまった。』
出張中
『加藤さんとさや姉が衣装室に、俺達みたいなのだろうか?』
海遊館へ行った時、光圀は視界の
端で一組のカップルを捉えていて、その夜。
『海遊館でさや姉からキス、観覧車のてっぺんで加藤さんが動いていた。早く莉乃に会いたい。』
福岡タワーにデートへ行ったとき。
『他のカップルにならって、愛鍵を着けてきた。早く十一月にならないかな?』
独身時代の家計簿が終わり、光圀は就寝することにした。