02
山下美月と付き合って三か月が経とうとしている。幼馴染である彼女から突然告白を受けたときは驚きよりもドッキリではないかと疑ってしまった。まさか美月も僕のことが好きだったとは。
そう。僕はずっと美月のことが好きだった。幼馴染で小さい頃から一緒にいるのが当たり前だった僕は恋愛感情こそあったが、この関係が壊れてしまうのではないかと思い告白できずにいた。
臆病な僕はせっかくの彼女からの告白にもドッキリだと疑ってしまったけれど、それが本当であると知ると彼女の前で泣いてしまった。
「なんで泣いてるのよ」
「だって嬉しかったから。ずっと美月のこと好きだったんだ。でも告白してこの関係が壊れるのが怖くて」
「バカなんだから」
そう言う美月の目にも涙が溜まっていた。
「彼氏なんだよ。もっとシャンとしなさい」
涙を拭うと幼馴染である山下美月から、恋人となった山下美月がほほ笑んでいた。僕は思わず彼女を抱きしめた。
「大切にするから」
「うん。絶対だよ」
腕の中に包まれる美月に僕は絶対に悲しませないと心に誓った。
初めてできた彼女。ずっとこれからも愛し続ける人。
たとえ何があろうとも。