05
短い呻き声を上げると、精液は生暖かい粘膜へと放たれた。年下の、しかもみんながいるバスの中で射精をしてしまった罪悪感の中にも、痺れるほどの快楽があった。
男性器が何度も跳ね、最後の一滴まで優佳ちゃんの口の中へと搾り出されると、私は眩暈が起きそうだった。
優佳ちゃんはわざとらしく微笑むと、喉を鳴らして放たれた精液を飲み込んだ。もう口の中には何も残っていませんよとアピールするかのように、大口を開けると私は頬がカーッと熱くなるのを感じた。
まさかみんながいる前で射精してしまうとは。いくら寝ているメンバーが多いとはいえ、中には起きているメンバーだっているはずだ。
この光景をもし見られたとすれば……。私の不安を察したのか、優佳ちゃんが耳元で囁いた。
「大丈夫ですよ。みんな寝ているみたいですから」
その声に私は背筋を伸ばして、周囲を覗った。
薄暗い車内で、確かにメンバーのほとんどが寝ているように見えた。携帯電話のライトも見えない。
「気持ちよかったですか?」
快楽はないわけがなかった。無残に射精しているのだから。
ただ場所があまりにも悪すぎた。悪戯っ子のように微笑む優佳ちゃんを小突くと、彼女は更に八重歯を見せた。
「言うまでもないってことですね」
「あのねぇ」
「バスの中で射精するなんて。菅井さんってよっぽど変態なんですよ」
こんな場所でフェラチオなんてするからだ。そう口に出そうとしたが、止めた。相手をしてしまえば、彼女の思う壺だ。
「でも菅井さんって、結構剥けるようになったんですね。剥けチンだ」
そうなのだ。最近では勃起すると皮が露出されるようになってきた。まだ剥けたままの状態を維持するのは難しいが、シャワーを浴びても痛くはなくなってきた。
「まあ、私も大人になってきたってことよ」
「おちんちんの皮が剥けるだけで大人になるって、男の子ってなんだか“変わ”ってますよね。“皮”だけに」
ツボに嵌まったのか、クスクスと笑う優佳ちゃんに私は呆れるしかなかった。優等生だと思っていたのに、ただの下ネタ大好きの変態少女だったとは。
「ほら、あんまり騒いでるとみんな起きちゃうから。寝るわよ」
「朝勃ちしたら、また抜いてあげますよ」
その頃にはみんな起きていることだろう。
「気持ちだけ受け取っておくわ」
上着を毛布代わりにかけると、唇に柔らかい感触が伝わった。
「えへへ。おやすみのキスです」
キスをしてきた彼女の頭を撫でてやると、目を閉じた。その瞬間思い出した。
そういえば、彼女の口の中に精液を放った。歯ブラシもしていないから、まだ唇に私の精液が付着しててもおかしくはない。
それに気が付くと、ゾワっと身震いした。いくら自分で出したものとはいえ、精液を舐めるなんて無理だ。嫌悪感に包まれると、眠気もどこかへと吹き飛んでしまった。