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頭がクラクラする。震える手でカメラを起動させると、すぐに動画へとシフトチェンジする。
「続けなさい」
携帯電話の画面越しから命令する。私の荒い息遣いさえ動画に入ってしまいそうだが、それよりも画面の震えを押さえる方に意識を割いた。
眉宇を下げ、裏切られたような顔をした優佳ちゃんを見ると心がズキンと痛んだが、もう一度狂った歯車は戻ることはなかった。
くちゅくちゅと音がやけに大きく聞こえる。その中で押し殺した声もあった。もっと声を上げてもいいと言おうとしたが、止めた。それじゃあ演技しているみたいだ。
いかにも自慰をしているという画を撮りたかった。優佳ちゃんは私の期待通りに動いてくれている。カメラがブレないように、それでも右手は激しく動いた。
「お尻の穴もよく見せて」
「はい」
両手で広げると、蕾が花弁を広げるかのように広がりを見せた。携帯電話を近づけると、皺の一本一本まで画面に映し出された。
「皺まで見えてるわよ。恥ずかしい?」
「はい」
右手を離し指先で蕾に触れると、ピクンとお尻が跳ねた。女性器から蜜を掬うと、再び蕾へと伸ばし塗るように円を描く。
我慢をしていても漏れ出てしまう声は明らかに艶を帯びていた。まさかアイドルグループに入ってお尻の穴をこうして触られるなんて思いもしなかっただろうに。
「気持ちいい?」
「わ、かんないですぅ」
「そう? あそこからトロトロ蜜が出てきてるよ」
小さな穴から湧き上がる蜜。指を一本挿れると、ギュウギュウと締め付けてきた。
「はぁあ!」
小柄な身体だけあって、膣自体も小さいのか指先はまだ三分の一を残したままそれ以上奥へと進まなかった。
無理やり突っ込んでもいいが、まだ処女だ。せめて好きな人にそれは捧げたいだろう。私に残された唯一の“女の部分”が三分の一を引き止めた。
「普段はどんなことを想像してオナニーしているのかしら。それともエッチなものを見ながら道具を使ってとか?」
再び右手を男性器に戻す。棒のように固くなった男性器は熱を帯びている。
「その……動画です」
「え? よく聞こえなかったわ」
「ど、動画です。ひらがなの子に教えてもらったエッチな動画を見ています」
投げやりになったかのように、優佳ちゃんの声は大きかった。自然と手を動かす速度が上る。
「へえ、優佳ちゃんってまだ女子高生よね。十八禁のものなんて見ちゃって。さすが優等生は違うわね」
恥ずかしそうに唇を噛む優佳ちゃんをカメラに収めると、ふいに射精感が湧いて出てきた。慌てて背後に回った。
「そんな子にはプレゼントをあげるわ。エッチな優佳ちゃんなら知ってると思うけどっ!」
ビュッと白濁の液体が弧を描いた。優佳ちゃんのお漏らしと似たような軌道を描いたそれは、彼女の赤い尻に着地した。