第5章「落城」
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 一生懸命舐めてくれている。それは分かるのだが、いかんせん物足りなさは否定出来なかった。あれだけ興奮で膨張していた男性器もみるみる硬度を落としていく。
 ただ口に入れて闇雲に動かしているだけ。私は優佳ちゃんの頭を撫でた。

「ありがとう。もういいわ」

「気持ちよくなかったんですか」

 優佳ちゃんの目は涙で滲んでいた。上目遣いで見つめる様子はさながら捨てられた子犬のようだ。
 正直に気持ちよくなかったと言えばいいのだろうか――健気にフェラチオをしてくれた手前、正直に話すことが憚られた。

「そういうわけじゃないわ。ただ私だけ気持ちよくなるのはフェアじゃないなって」

 フェラとフェア、ニュアンスは全くといっていいほど違うのに発音が近いのは考えた人間がわざとやったのか。
 私はキョトンとする優佳ちゃんを抱えるようにして脇に手を入れた。風呂上りの匂いが鼻に押し付けられたように感じる。

「え、また乳首つねるんですか」

「つねんないわよ」

 身を構える優佳ちゃんの手を優しく払いのけると、まだピンと勃つ乳首に息を吹きかけた。風を受けた乳首がピクンと跳ねた。

「だ、ダメですよ、そこは」

 ズボンに手をかけようとすると、払いのけたはずの手が伸びてきた。私はそれを掴んだ。

「私だって見せてるんだからいいでしょ。お互い様よ。それとも、優佳ちゃんにも生えてるのかしら」

「生えてないですけどぉ」

 嫌がる優佳ちゃんだが、さほど抵抗も見せずにズボンを脱がせてくれた。純白の下着というのが真面目な彼女らしかった。

「やっぱり白か。優佳ちゃんならそう思ったわ」

「なんだか菅井さんおじさんっぽいですよ」

「今の私はスケベおじさんですから」

 剣道の突きのようにサッと懐へ飛び込むと、優佳ちゃんを押し倒した。上半身が倒れた弾みで上ってきた下半身に手を添える。

「やだぁ」

 身体をくの字にさせた優佳ちゃんの下着を脱がせる。さすがに今度の抵抗は先ほどよりも強かったが、上手に足首まで脱がすことに成功した。
 私はもしかしたらこの手の才能があるのかもしれない。我ながら惚れ惚れとする無駄のない動きだった。

「あら綺麗。まだ未使用って感じだわ」

 未使用なのは私もだが、年齢差の関係があるのか、個人の差があるのか優佳ちゃんの女性器はスッと縦筋が入った幼女のような形だった。

「未使用ってなんですか、未使用って。それよりもこの格好恥ずかしいですぅ」

 エッチな動画を見て覚えたこれは、いわゆる『まんぐり体勢』というやつだ。動画を見ていた私でも恥ずかしさを覚えたのに、実際にやられて恥ずかしくないわけがないだろう。

( 2018/04/25(水) 18:54 )