第五章「渚沙」
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 力任せに何度も叩く。いつもは鬱陶しく聞こえる渚沙の泣き声も、今は興奮を駆り立てるものへと変わっていた。そう。あの時麻衣は確かに興奮していた。同性であり、年下の女の子の尻を叩きながら、麻衣の女性器は濡れていた。
 瞳孔の開いた目で渚沙を見ると、涙を流しながら「止めてください」と哀願していた。いつか恭一郎が端正な顔が乱れるのが酷く興奮すると言っていた気持ちが分かった。

「ん?」

 麻衣の剥き出しになった白い太ももが水気を感じ取った。しかも温かかった。何だと思って見ると、渚沙の尿だった。叩かれ続けた痛みからか、渚沙は尿を漏らし始めたのだ。

「ああ……」

 自分の意思では止められないのか、渚沙は口を開けたまま尿を垂れ流している。麻衣の太ももにかかった黄色い尿は、フローリングに広がった。

「ちょっと、なぎ。こんな大きくなってお漏らしするなんて。いけない子ね」

「ああああ、しゅみません……あああああ……」

 幼児返りでもしたかのような舌足らずな声で返事をしながら、渚沙は尿をたっぷりと出し続けている。小さな穴から漏れる(ほとばし)りを見ていると、麻衣はおもむろにメイド服を脱ぎ始めた。

「ほら、なぎ。あなたが汚したんでしょ。舐めて綺麗にしなさい」

 ガーターベルトを外し、ブラジャーも外すと、麻衣は黒のショーツだけを身に纏った姿になった。渚沙の尿で濡れた太ももをグッと彼女の口元へ近付ける。

「舐めなさい」

 戸惑った目が、麻衣のダメ押しで諦めたような目に変わると、太ももにナメクジが這うような感覚を覚えた。小さな赤い舌がチロチロと太ももを舐めていく。

「どう。自分で出したおしっこの味は」

「しょっぱいです」

 それが尿の味なのか、涙の味なのか渚沙には分かりかねた。

「でも自分で出した物だからね。ちゃんと綺麗にしなさい」

「はい」

 床に広がった尿まで舐め取らなければいけないのだろうか。渚沙はおぞましさを覚えたが、すぐに頭の中を空にしようとした。考えていれば、余計辛く感じるだけだ。無心。十四歳の少女は、ここで生きていくための(すべ)はそれしかないと結論付けている。

「もういいわ。床は後で掃除するから大丈夫。衛生的にも問題だからね」

 麻衣の言葉に、渚沙はホッと胸を撫で下ろした。この人はそこまで鬼じゃないのだと分かると、麻衣はショーツを脱ぎ始めた。
 メイド服は濡れてしまったかもしれない。だけど、下着まで濡れてしまったのだろうか? いくらか冷静になった渚沙は、改めて麻衣の格好を見て不思議に思った。
 生まれたままの姿で仁王立ちする麻衣。女同士でありながら、渚沙は見ている方が恥ずかしくなり、目を背けた。

「じゃあ、今度はここを舐めてもらおうかしら」

 キッチンに飛び乗り、足をMの字に広げながら麻衣が指差したのは、自らの性器だった。

■筆者メッセージ
エゴイストの柊ちゃん編みたくなりましたね。
もっとも、あちらは男女で、こちらは女同士ですけど。


アルビスさん

変態チックな作品になりましたね。
元からか笑
完全にドMの思考ですよ、それは笑
( 2016/01/10(日) 09:35 )