第四章「聖菜」
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 聖菜の小ぶりな胸の中央がツンと隆起していることに恭一郎は気付いた。

「お前、これから犯されることを期待しているのかよ。変態だな」

「そ、そんなわけがないだろ。離せ。警察に言ってやる」

 どんなに身体をジタバタさせても、腹の上に乗った重みがなくなることがないのが、聖菜には悲しくて悔しかった。こんな男に純潔を破られるのなんてご免だ。

「言ってみろよ。言えるものならな」

 恭一郎は聖菜の腹の上に乗ったまま、小ぶりな胸にピンと張った乳首を摘み上げた。

「あああああ! 痛い! 痛い!」

 親指と人差し指で摘まれた乳首が垂直に上げられ、聖菜は乳首が取れてしまうのではないかと思った。

「お前の胸が小さいから、大きくしてやろうと思ったんだがな」

 恭一郎はそんな聖菜のことを見下ろしながら、せせら笑いを浮かべた。ギュッと摘み上げたせいで、聖菜の乳首周りはすでに赤みを帯び始めている。

「よ、余計なお世話だ。バカ野郎」

 肩で息をしながらも、聖菜の口調は変わらなかった。きつい女は口まで悪いようだ。これではメイドとして立派な職務に就けない。口調までも躾けなければいけないとは。
 背筋がゾクゾクとする。彼女の二十一年間を根底から覆すのだ。男は低俗な生き物なんかではない。むしろ、称えるべき存在。(ひざまず)いて、その恩恵に無上なる喜びを見出すべきなのである。

「さて。お前のまんこはどんな味かな」

 胸への強引な責めから、今度は下腹部へと手を伸ばした。恭一郎は聖菜の腹の上に乗ったまま、器用に破れたワンピースを脱がし、白のショーツを脱がした。
 彼女がジタバタと抵抗すればするほど、かえって脱がしやすくなる。犯されるとパニック状態に陥っている聖菜には、それが分からなかった。
 頭の悪い女は、全くもって悲惨だ。無意識のうちに犯されやすい体勢を作り、男の性欲に火をくべる言葉を易々と言ってのける。従順な女も悪くないが、こういう頭の悪い女を犯すのもまた一興である。

「何だよ、お前。モジャモジャじゃねえか。ちゃんと処理していないな」

 彼氏のいない聖菜にとって、陰毛処理は特にせず、ほったらかしだった。彼氏のいる女友達はいつも処理していると聞いて、自分もやらなきゃなと思うのだが、見せる相手がいなかったから結局そのままにしていた。まさかこんなことになるなんて。
 聖菜は顔から火が出そうなほど熱くなった。こんな男に処理をしていない毛を見られ、それを指摘されるだなんて。

「俺が処理してやろうか」

 乳首同様、毛の束を摘み上げると、何本かの毛がブチブチと抜け落ちた。

「畜生! 離せ! 離せよ!」

 体力の限界に近かったが、聖菜は渾身の力を振り絞って暴れた。そうすると、腹部の重みが消えた。
 やった。ついに退()いた。
 
 そう思った聖菜の(あご)に強烈な一撃がお見舞いされた。

■筆者メッセージ
陰毛が不自然に多いAV女優がいたような気が。
( 2015/12/31(木) 11:59 )