第十章「恭一郎」
03
 試しに指を一本入れてみようとしたが、美久の小さい穴は固く閉じられ、侵入を拒んだ。苦痛で顔を歪ませる美久のクリトリスに息を吹きかけると、テーブルに置かれたローションを手に取った。

「何ですか、それは」

「ローションだ。これをすれば入れられるかもしれない」

 キャップを開け、女性器にローションを垂らした。

「ひゃあ、冷たい」

「時期に慣れる」

 シーツに大きな染みを作るほど大量に垂らすと、恭一郎は指で女性器に塗りたくった。

「なんかヌルヌルしますぅ」

「そういう物だからな。さ、身体の力を抜け」

 ローションの効果はてき面だった。あれだけ拒んでいた穴に指が入ったのだ。といっても、第一関節ほど入ったところでギュウギュウに締め付け、奥へはなかなか入らないが。
 これで本当にペニスを挿入出来るだろうか。適当な玩具であれば壊しても構わないが、美久だけは特別だった。ガラス細工を扱うように、恭一郎は入念に、辛抱強くローションを垂らしては愛撫を繰り返した。

 ようやく指の出し入れがスムーズに行えるようになると、美久は肩で息をし始めていた。下腹部が甘く、切ない。女性器がいよいよペニスの挿入を焦がれているようだ。

「ご、ご主人様、そろそろ」

 堪らず、美久は急かした。施設で聞いたことがある。破瓜の痛みは相当なものだと。痛いことは嫌いだが、今ならどんな苦痛にも耐えられそうだった。まして恭一郎から求められる痛みなら――。

「準備が出来たか」

 まさか美久の方から求めてくるとは思わなかったが、恭一郎も頃合を見計らっていたところだった。ローションを無造作にペニスに垂らすと、容器は空になった。

「痛かったら痛いって言えよ」

「大丈夫です。美久は耐えられる気がします」

「殊勝なメイドだ」

 恭一郎が褒めると、美久は「えへへ」と笑って見せた。
 そんな健気なメイドの頭を撫でてやると、小さな穴に照準を合わせた。

「行くぞ」

 メリメリと音がしそうだった。亀頭が小さな穴にゆっくりと飲み込まれていく。歯を食いしばりながら耐える美久の頬にキスをしながら、恭一郎もまたペニスをギュウギュウきつく締め付けられる痛みに耐えながら、腰を沈み込ませた。

「ぜ、全部入りました……」

「まだだ。もう半分」

 太い幹のようなペニスの半分が埋まった状態だった。

「まだ半分……」

「一度抜くか?」

 恭一郎の腹部のほぼ真下に寝転がる美久はかぶりを振った。

「このまま一気に行ってください。途中で止められたら、また怖くなっちゃいます」

 それもそうか。美久の言葉は恭一郎の中にストンと落ちた。

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 体重をかけ、恭一郎は小さな穴にペニスをねじ込むようにして、奥へと突き挿した。

■筆者メッセージ
みっくみくにしてやんよ。
( 2016/03/08(火) 23:29 )