第一章「麻衣」
01
 家の中に入ると、ムッとした女のにおいを感じ取った。化粧品に混じった“女”のにおい。わずか“一体”だけのメイドがいるだけなのに、椿恭一郎の鼻は敏感にそのにおいを嗅ぎ取った。

「お帰りなさいませ。ご主人様」

 玄関に(うやうや)しく三つ指を着いたメイドが恭一郎を出迎えた。

「ああ」

 恭一郎は持っていたカバンをメイドの横へ置くと、さっさと廊下を突き進んだ。メイドも恭一郎が置いたカバンを手に持つと、彼の後を追う。

「ちょっと空気が乾燥してるな」

「申し訳ありません」

 恭一郎たちが向かった先はリビングだった。広さは三十畳ほどで、本革のソファー、大型のモニター、二人暮らしには不釣合いなほど広いダイニングテーブルが置いてある。
 メイドは恭一郎の背後からさっと飛び出し、ソファーの近くにある加湿器を操作した。

「失礼します」

 それが終わりや否や、メイドはすぐに恭一郎の元へ戻り、彼の上着を脱がし、ズボンに手をかけた。手慣れた様子でベルトを外し、ファスナーを下げる。
 ズボンを取ると、今度はボクサーショーツを脱がす。そうすると、ダラリとぶら下がったペニスが現れた。

「今日も一日お疲れ様でした。不肖この麻衣がその労をねぎらわせていただきます」

 玄関で出迎えた時と同様、メイドは恭しく三つ指を着くと、ペニスを口に咥えた。ダラリとしたペニスを口の中へ入れ、舌を器用に使って咥えたまま舐める。
 ジュボジュボとした音が聞こえ始めると、メイドの鼻息が恭一郎の陰毛に当たり、ふわふわと毛先が揺れた。

「今日はどんな味がする?」

「はい。おしっこの味と、いつもより汗臭いすえた味がします」

 洗っていないペニスを口に咥えさせる。毎日の日課なのに、恭一郎はこの瞬間が好きだった。汚いペニスを女に舐めさせるのは、自分が支配した厳然たる証なのだ。

「麻衣は臭いチンポが好きだもんな」

 恭一郎はそう言ってメイドの頭を撫でる。栗色に染めた長い髪からは、サラサラとした感触がした。

「はい。麻衣は臭いチンポが大好物です」

 やがてペニスが勃起し始めた。そうすると、メイドは一旦口から離すと、手で竿を擦り、空いた手で睾丸を優しく揉んだ。

「今日はどこに出して欲しい? 口か、それとも顔か?」

「はい。ご主人様の気が赴くままに」

 ペニスの先から汁が出始め、メイドはそれを唇で吸うと、再びペニスを口に咥えた。喉奥までそれを飲み込むと、今度はギリギリまで出口へ近づける。
 それを繰り返しながら、睾丸を揉み続ける。「ここには古い精子があるんだ。揉むことによって、排出を促すんだ」いつか恭一郎に言われたことを、メイドは今も実行している。
 古い精子を吐き出し、睾丸のサイクルを循環をさせる。頭に思い描く想像図を頼りに、メイドはただひたすらにペニスを愛撫する。

「そろそろ出そうだ。麻衣、今日は口で飲み込め」

「はい。かしこまりました」

 口の中でペニスが更に大きくなる。射精はもうすぐそこまで迫っている。

「で、出るぞ」

「んぶう」

 ペニスが一気に膨らんだかと思えば、メイドの口の中で暴発した。(ほとばし)る熱い精液が喉を焦がす。メイドは鵜飼の鳥のように、放たれた白濁の液を嚥下(えんげ)する。

「ご主人様。麻衣の口の中に精子を放ってくださり、ありがとうございました」

 尿道に残る精子も吸い取ると、メイドは三度目の三つ指を着いた。

■筆者メッセージ
水面下で進められていた新作です。
ある程度ストックが溜まりましたので、今日から連載をしていきます。
小説説明文にもあるように、一部不快な表現をする描写がありますので、閲覧に関してはご注意ください。
( 2015/12/19(土) 03:47 )