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週末になれば、どこかで必ずセックスをした。ラブホテルがほとんどであったが、文也の家や七瀬の家でも情痴を行った。
セックスはいい。心地良さだけでなく、互いのことが何より分かった。そう。何時間にも及ぶ会話よりも、一度のセックスの方がはるかに相手のことが分かった。
七瀬はことセックスになれば最初のうちこそ恥ずかしがったが、いざ行為が始まれば、文也よりも激しく乱れた。チンコをまんこに突っ込んで腰を振っているだけなのに、七瀬から上がる甘い嬌声は脳裏にこびりついて離れない。
おかげで、仕事中や通勤中であってもたまに勃起してしまうことがある。まるで男子中高生じゃないかと、ペニスを鎮めようとしても、一向に収まらないのだ。
七瀬のおまんこ。その身体どおり、小さくて控えめな性器は文也の心を、身体を掴んで離さなかった。ギチギチでありながら、どこか隙があって、イソギンチャクのように絡んでくる。
彼女が出来れば、男というのはおしなべてセックスを考えるものだ。文也も例外でなかったし、七瀬の身体に心酔するのも無理はなかった。
野球観戦を終えたばかりのラブホテルでチンコをまんこに突っ込んでいる。ゴムのない生身のペニスに絡みつく心地良い感触。文也はついに我慢出来なくなって、七瀬の中に躊躇することなく解き放った。
ドクドクと我慢していた小便が出るように、長い射精が続いた。一週間ぶりの射精は、長くてたぶん濃いのだろうと文也は思った。
「あなた、今日もたくさん出してくれたわね」
セックスが終わった後のまどろみも悪くなかった。明日のことは考えない。野球もなければ、七瀬とも会えない。あるのは仕事と倉持だけだった。
「分かるのか」
「分かるわよ。お構い無しにあたしの中に注ぐのだもの」
七瀬の中に自分の子種がある。そう考えてだけで、再び勃起しそうになった。
「まあ、あれだ。それだけ気持ちよかったってことだ」
七瀬の細くて柔らかい髪を撫でてやる。そのままおまんこにも触ってやろうかと思ったら、腹の辺りで腕を掴まれた。
「もうおしまいよ。ゲームセット。延長戦はありません」
この頃になると、ようやく七瀬は野球のことをちょっとは覚えてきた。ストライクが三つになったらアウト。ボールが四つになったらフォアボール。球場で観戦しながら、文也は叩き込ませるようにして教えたものだ。
「なあ、このままホークスが勝つのかな」
「さあ? でも、今ライオンズって二位なのでしょ。それでも十分凄いじゃない」
おまんこに触れなかったから、今度は胸を触った。ピンと張る乳首を中心に愛撫していく。
「二位じゃダメなんだよ。一位じゃなきゃ」
しかも、相手は忌々しいホークスである。あんなパ・リーグのお荷物球団に負けるなんて、未来永劫に語られる恥晒しとなってしまう。
間もなく野球が終わってしまう。ライオンズはこのままで終わってしまうのだろうか。文也は不安を押し殺すように、七瀬の乳首を甘噛みした。