美しい桜と音-夏休み編-









小説トップ
第8章
初めて会った日
デート先へ向かってる間、咲良と優希は初めて会った日を話していた。

「ねぇ優ちゃん、私と初めて会った日覚えてる?」
「初めて会った日?あぁ、あの時か。」
「覚えてたんだ。てっきり忘れてると思ってた。」
「ひでぇな、俺どんな奴って思われてるんだよ。」

咲良と優希が初めて会った日…それは3年前に遡る。まだ優希達が中学3年生の時だ。この時から優希は1人でいる事が多かった。とある日の昼休み、優希はトイレに行こうと教室を出た。

(さっきの時にトイレ行けば良かったな。面倒な事しちまったな。)

そんな事を思いながら向かっていると…

(ん?あれは咲良ちゃんと…その元カレ?何してんだあれ…)

そこには咲良とその元カレが何か言い合いをしていた。どうやら復縁するかしないかの話だった。

「なぁ咲良、もう一度やり直そう。」
「嫌って言ってるでしょ?あんたとやり直す気は無いから。」
「そんな事言うなよ。俺にはお前しか居ないんだ。」
「しつこいわよいい加減!」
(どうしよっかなぁ。てかあいつ…同じ様な手口で言い寄ってるなぁ…止めに行くか。)
「おいお前、嫌がってるじゃねえか。」
「誰だよ…って優希じゃねえか。何だよ?」
「だから、この子嫌がってるだろ。」
「うるせーな、これは俺とこいつの問題なんだから、首を突っ込むなよ。」
「はぁ、お前さ…他の子にも復縁してたよな?」
「え…いや、あの…」
「複数の子に復縁しててよ、お前は誰が本命なんだよ?」
「いや、だからその…えっと…」
「つまりお前は、誰でもいいんだろ結局。最低な野郎だな。」
「チッ…」

咲良の元カレは図星を突かれたのか、その場を去って行った。

(はぁ、これで暫くあいつも大人しくなるだろ。)
「あ…あの…」
「大丈夫か?怪我は…して無さそうだな。」
「ありがとうございます。助けていただいて…」
「なぁに、あいつが色んな子に復縁要請してたのは知ってたからな。まさかとは思ったけど。じゃ、気を付けろよ。」
「あ、待って。」
「何?俺トイレ行きたいんやけど…」
「その…今日一緒に帰れないですか?」
「は?」
「いやその…今日会ったのも何かの縁だと思って…ダメですか?」
「ごめんな、俺彼女居るんだ。」
「え…」
「だからよ、一緒に帰るのは出来ないんだ。友達とか居るんだよね?誘ってくれたのはありがたいけど、無理かな。じゃ、また。」

優希はそう言ってトイレへ向かった。

(かっこいい。けど、彼女いるんだ…)

これが優希と咲良が初めて会った日。そして、咲良が優希に一目惚れした日である。

夜明け前 ( 2023/09/29(金) 20:10 )