嫌な予感…
そんなことも知らずに、優希は自分の部屋に入ると布団に突っ伏した。家に誰も居なけりゃ自由気ままに過ごせたが、山本先生という邪魔者扱いしてはならないが、家に居るので自由に過ごせない。別に先生が嫌いというわけではないが、可能なら悠太らと一緒に帰って欲しかった。美音の一言さえなければ…
『お風呂どうぞ。』
(あいつ、変なとこで気使いやがって…柊ん家泊まるんだったら別に関係ねえじゃん。言うなら俺が言うのが正だろ。ったく…何でイライラしなきゃいけないんだ?よくわからん。ま、あの感じやと先生家に泊まるみたいやし…てか泊まるって言ってたなそういえば。どこで寝るつもりなんだ?ま、どっちにしろ自分のことは自分でするか。)
優希はそう決めると部屋を出ようとした。すると…
「ん?」
何故か部屋のドアが微妙に開いていた。ちゃんと閉めた筈なのに…
(おかしいな…)
優希はドアに寄ろうとした。と…廊下に人影が…
「はぁ…」
優希は思いっきし開けた。
「先生…」
「あちゃ〜バレたか…」
「『バレたか…』じゃないですよ。何でここにいるんですか?下で自由にしててくださいよ。」
「そんなん言わんでええやん。優希君の家に居させてもらうんやしさ、一緒におろや。誰もいーひんからさ。」
「いいですって…大丈夫ですから。」
「偉い冷たいやん…つれへんわぁ、彼女にもそうなん?」
「え…」
「悠太君らに聞いたで?この夏休みから付き合ったって…」
「え…」
(あいつまで余計なことを…ったく。)
「悠太の野郎…」
「羨ましいわ…彼女おって。けど、彼女にもそんな冷たくするん?彼女さん泣くわ…」
「いや、彼女にはそんなこと…」
「じゃあ、うちやったらええんや…」
「そういうわけでも…」
「酷いわ。悠太君らまた呼び戻そかな…」
「それだけはちょっと…」
「何で〜…うちにあんな態度取ったのに?」
「悠太らいると邪魔なんで…」
「じゃあ、うちは邪魔じゃないの?」
「違います。」
「嬉しいわ。なら、一緒におってもええよな?」
「はぁ、どうぞ。好きにしてください。」
「ありがとな優希君。」
「ははは…」
こんな筈では…優希は心の中で悔しがった。まさかこんな展開になるなんて…
(はぁ、悠太に言わなきゃよかったな…あいつはやっぱり口が軽いなぁ。)
少々後悔した優希だったが、いつまでも隠し通せるとも思わなかったので、仕方ないとも思った。
「なぁ優希君。」
「はい。」
「優希君の部屋ってこんなかんじなんやな。」
「いたってシンプルだと思いますけど…」
「シンプルが一番ええんやん。特に優希君みたいなのがさ。」
「それ褒めてます?」
「当たり前やん。彼女さんはこの部屋入ったん?」
「まぁはい。」
「そうなんや、ここでエッチしたんやな…」
「え…」
「違うん?」
「ちょっと、何言い出すんですか?」
「だから、優希君と彼女さんは優希君の部屋でエッチしたんやろ?」
「…………」
優希は呆れて部屋を出ようとした。
「ちょ優希君…あ!」
先生の声に優希は後ろを振り返った。が…これが最悪の結果に…
「い…」
「ちょ…優希君…」
今だから言うが、先生はまだバスタオル姿だった。なのでもうお気づきだと思うが…
(やっべ見ちゃったよ…)
「優希君のエッチ!」
「先生が声をあげたから…」
「もう…そんなにうちの裸見たかったん?」
「違いますって…」
「なぁ…彼女さんとうちとどっちがおっぱい大きい?」
「そんなん…言いませんよ。」
「うちの方が大きい?それとも彼女さん?」
「…………」
「ねぇどっち?」
「先生…からかうのも程々にした方がいいですよ…」
「何や急に…キャ!?」
「そんなに俺に襲って欲しいんですか?」
「ち…違う、ただうちはちょっと…ん…」
「なら何で、バスタオルのままなんですか?」
「それは…」
「先生も変態ですね…ま、そういう先生好きですけど…」
「ちょ…優希君…」
先生は後悔した、優希を挑発させてしまったと…