宿題と睨めっこ
夏休みも残すところ後2週間…まだまだ暑さは残るが、真夏の暑さは峠を越した。そして夏休みが終わるとまた学校生活が始まる。二学期は体育祭に文化祭と行事があるが、休みがない…苦痛な生徒とそうでもない生徒と分かれると思う。…とそんな話はさておき、とある家では机とにらめっこしているメンバーがいた。
「あーもう、全然終わる気がしない…優希ヘルプ!」
「自分で解けよそれくらい。この問題それほど難しくないって…」
「優希私も教えてー?」
「優希君私も…」
「お兄ちゃん私はその後で…」
「何だよ皆んなして…ったくもう、めんどくせー…」
そう…とある家とは優希の家、そして机とにらめっこしているメンバーとは悠太・愛佳・麻友・美音だ。この4人はこの日までに夏休みの宿題をやったと本人達は言っていたが、優希からしてみればやったというレベルではなかった。
「優希これってどういうこと?」
「どういうことって…これはだなぁ。」
「ちょっと優希、悠太ばっかり教えないで私にも教えてよ。」
「そうだよお兄ちゃん。」
「いや…それなら俺からも言わせてもらうけど、何で宿題やってないんだよ?」
「やったってほら…」
「こんなのやったに入らないって…」
「だって今回社会難しすぎだもん…」
「確かに。今回は宿題ないのかなって思ったけど、『社会はある。』って言ってたからさ…」
「でもさでもさ、社会だからきっと少ないよなって思わなかった?」
「確かに。でもいざ蓋を開けると…」
「くそ多いしくそむずい…」
「お前ら話ばっかしてないで、さっさと手を動かせよ。口はもう動かさなくていいから。」
「そんな事言ったってよ…てかさ、優希は終わったの?」
「んなもん終わったに決まってるだろ。」
「うそー!?こんな難しい問題?」
「難しいって知れたもんじゃん…」
「お前まさか…山本先生にこっそり聞いてたとちゃうか?」
「そんな手使うか!お前と一緒にすんな!全く…早くやれよ。」
「そんなこと言ったってさ…」
「お兄ちゃん私には?」
「『私には?』って…俺は何を教えたらいいんだよ?」
「勉強に決まってるじゃん!」
「まあそうだけど…」
「おいおい優希、美音ちゃんこんなに困ってるのに何も教えないのか?ダメな兄ちゃんだなぁ…」
「お前は口を挟まなくていいから自分も勉強しろ!」
「へいへい…」
「はぁ…4人の勉強教えるの疲れたな…」
「おいおい優希、お前俺らに何も教えてないじゃないかよ…」
「はぁ…しゃあない、最強の助っ人でも呼ぶかな…」
「最強の助っ人?まさか…美桜ちゃん?」
「アホ!何で美桜なんだよ?少しは考えろよ全く…」
「最強の助っ人でしょ?誰?」
ピンポーン
「来た来た。」
優希は玄関に向かう。
「最強の助っ人って誰?」
「あかん…俺は美桜ちゃんしか浮かばん…」
「尚とか…」
「尚ね…いや咲良ちゃんもありえないか?」
「美音ちゃんは?」
「う〜ん…私は柊ちゃんしか…」
「柊ちゃんはないんじゃないかなぁ…」
「ですよね…」
一方玄関では…
「すいませんねこんな時間に…」
「ええって別に、優希君らの為なら構わんって…」
「俺というよりは悠太らなんですけど…」
「そうなん?てか、なんか相当疲れてへん?」
「めっちゃ疲れてますよ。4人教えるのはマジ地獄です…」
「まあ、うちはそれ以上教えてるけどな。」
「ははは、頭が上がりません…」
「ははは。優希君やっぱええ子やな。」
「そんなことは…あ、ちょっと待っててください。」
優希はまたリビングに入った。
「最強の助っ人来たよ。」
「誰だよ助っ人って…」
「まあまあそう慌てるな。じゃあお願いします。」
優希の合図でリビングに入って来た人物…これには思わず…
「え…マジ?」
「うそ…」
「最強の助っ人って…」
「この人は確か…」