美しい桜と音-夏休み編-









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第6章
まさかの三角関係!?
そして数日後、美桜は福岡に帰って行った。

「じゃあね優ちゃん、帰るね。」
「あぁ、またいつでもおいでよ。」
「はぁ…悠太君と麻友ちゃんの件解決したかったけどなぁ…」
「解決ねぇ…」

本人は悠太の件を解決して帰りたかったそうだが、そう簡単にはいかなかった。美桜が帰った2日後に美音が帰って来た。優希は美音が帰って来て早々に悠太の件を話した。

「え〜、美桜さん来てたんだ。」
「ああ。」
「というより、悠太さんと麻友さん別れたの?」
「そうなんだよ、数日前にな。」
「うそ〜…あんなに仲良かったのに…」

美音も悠太と麻友が仲良かったのを知っていただけに、今回の件はかなりショックだったようだ。

「そっか…」
「原因はどっちなんだろうな…」
「悠太さんじゃないの?」
「う〜ん、あいつもあいつで意味わかんないこと言うんだよ。悪くないんならはっきりしりゃいいのにさ。」
「う〜ん…それは難しいんじゃない?」
「何でさ?」
「お兄ちゃんの話聞いてたら、麻友さんが一向に悠太さんを拒否してるんでしょ?麻友さんに聞かないとさわかんないじゃん?」
「確かにな…でも、あいつは『自分は悪くない。』って言ったからさ…」
「それは私が言うのも何だけど、悠太さんの自意識過剰かもしれないよ?」
「それはそうだな。美音にしては珍しいな。」
「何それ〜…それじゃ私がいつもしっかりしてないみたいじゃん?」
「そうだろ?」
「違うよ〜…お兄ちゃん酷いよ〜、お兄ちゃんも美桜さんと別れちゃえ!!」
「お前それは…」
「美桜さんに電話しちゃおかなぁ…」
「はぁ…怖い妹だ。」
「へへーん。」

一方悠太はというと、優希と美桜が先に帰った後、直接麻友と話そうとしたが返り討ちにあった。そして麻友から出禁を喰らってしまった。

(何でこんなに嫌われてるんだ?意味がわかんない…)

自分はただ話したいだけなのに、何故出禁を喰らわなければならないのか?悠太は訳がわからなかった。これには流石の愛佳も居づらくなり、優希の家にしばらく居候することにした。

「ごめんね優希、暫くお邪魔します。」
「仕方ねえさ。しかし、麻友がまさか悠太を出禁にするとはね…」
「うん…もう昔のまゆゆに戻らないのかなぁ…」
「そんなに落ち込むなって、なんとかなるさ。なんとか…なるか?」
「ちょっと優希…それどういう事よ?」
「ああ悪りぃ悪りぃ。とにかくちょっと出掛けないか?気晴らしにさ。」
「うん。優希と出掛けるの初めてじゃない?」
「かもな。」

優希と愛佳は外に出た。買い物をするつもりはないが、気分転換に外に出ただけなのだ。

「それより優希…もうすぐ夏休み終わっちゃうね。」
「確かにな…」

気が付けば夏休みも後2週間…やっぱり夏休みは短い。

「美桜らと行った福岡楽しかったな。」
「うん。まゆゆたちも来たら別れること無かったかもね。」
「確かにな。ちょっと前には美桜が来たし。」
「そうだったね。はぁ…もうすぐ二学期か。嫌だなぁ…」
「二学期は休みがないからな。」
「あの学校だけ“秋休み”作ってくれないかな…」
「無理だろそれは…」
「やっぱり〜?でも、校則が変わったぐらいだし、あり得るかもよ。」
「まあそうだな。」
「あれ?」
「どうした愛佳?」
「あれって…まゆゆじゃない?」
「どれ?ああ…確かにあれは麻友だな。と…隣にいる奴誰だ?」
「う〜ん、悠太…ではないよね。」
「そりゃそうだろうけど、誰だろ?」

麻友と一緒にいる男、男が麻友の方を向いた時…

「え…」
「マジかよ…」

その人物は…

「尚!?」

なんと尚だった。何で麻友と一緒にいるのか?どうやって知り合ったのか?

「何で尚が麻友と一緒にいるんだ?」
「見て、まゆゆあんなに笑ってる。」
「どういうことだ?」

そのまま二人の後を追う優希と愛佳…二人が向かった先はなんと…

「え…ラブホ!?」
「嘘だろ…」

2人とも声が出なかった。

「ねぇ…私達って夢見てないよね?」
「ああ…夢というより悪夢だろ?」
「何でまゆゆと尚があんな仲に…」
「待てよ、もしかして麻友が悠太を捨てた…って事だよな。」
「うそ…じゃあ私に『悠太に捨てられた。』って言ったのはデタラメ?」
「かもしれないな…だとすると待てよ、俺らと福岡行った時…」
「もしかしてもうそんな関係に?」
「だとしたら尚があん時余裕こいてた理由になるな…」
「そんな…悠太知ったら余計ショック受けるよ…」
「間違いねえな。これで悠太は真っ白だな。」
「まゆゆが黒だね…」
「とにかく麻友と尚、そして悠太を呼ばねえとな。」
「うん。まゆゆどんな言い訳すんだろ…」
「これは許されることじゃねえからな…」

それから数日後、優希と愛佳は麻友・尚・悠太を呼び出した。

夜明け前 ( 2023/09/28(木) 09:24 )