美しい桜と音-夏休み編-









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第5章
優ちゃんと呼ばれる理由
「はいよ。」
「ありがとう優希。あ〜、癒される…」
「そうか?」
「そうなの。そんなとこに足を突っ込まないの、いちいち言い返すのがめんどくさいから…」
「はいはい…」
(なんだろう…会話ってこんなに難しいんか?)

優希は考えさせられることが一杯だ。それがいいのか悪いのかすらわからない…

「ねぇ優希。」
「ん?」
「前から気になってたんだけど、咲良って何で優希のこと、『優ちゃん』って呼んでるの?」
「何でって…あいつが勝手に呼んでるだけなんだけどな。」
「え、そうなの?優希の了解済みじゃないの?」
「ううん、違うさ。俺は『その呼び名やめろ。』って言ったんだけど、一向にやめる気配が見えないんだよ。だから、もう諦めてるんだよ。まぁ、あいつが呼びやすいならいいかって最近は思ってるし。」
「そうだったんだ。優希の了解済みだったら私彼女だからさ、『優ちゃん』って呼んでもいいのかなって思ったんだけど…」
「そういうことか。美桜はいいんじゃないのか?彼女なんだし…」
「え、いいの?」
「美桜がいいならいいんじゃない?それだったら別に構わんし…」
「じゃあ優ちゃんって呼ぼっと。優ちゃん。」
「やっぱちょっと慣れねえな…」

優希はこの『優ちゃん』って呼ばれ方に慣れてないようだ。その後優希は自分の部屋に美桜を案内した。

「ゆうき…あ、優ちゃんの部屋初めて入る。」
「だろうな。それより、わざわざ『優ちゃん』って呼ばなくていいぞ?呼びやすい言い方で…」
「大丈夫!」
「そうか?」
(何が大丈夫なんだろう…ま、いっか。)
「優ちゃん、私の寝床どこ?」
「寝床なぁ…美音さん部屋は不味いしな…かと言ってリビングは…」
「え〜、彼女をリビングで寝させるの?」
「そう言うと思ったから、却下しようと思ったのに…」
「そうなの?」
「ったく…最後まで話を聞けよ。」
「いいや、優ちゃんの部屋にしよ。」
「俺の部屋って…どこで寝るんだよ?ベッド一個しかないのに。」
「一緒にベッドに寝るに決まってるでしょ?何、床で寝ろっていうの?」
「だから、何も言ってないだろ。それより、一緒にベッド…」
「だめなの?」
「いや、だめなわけないだろ。」
「さっすが優ちゃん!」
(美桜の『優ちゃん』は慣れたか?いや、まだか…)

優希たちはその後またリビングに向かった。

夜明け前 ( 2023/09/25(月) 07:19 )