優希からの手紙
駅に着き、いよいよ美桜とお別れの時が来た。
「じゃあね美桜、また来るから。」
「うん、私も遊びに行くから。」
「美桜ちゃん、優希をよろしくな。」
「尚、あんたは黙りなさい。一言余計よ。」
「えー、そんな〜…」
「あ…あはは、じゃあ構内入ろうか?」
咲良たちは駅に向かって行った。しかし、優希は…
「あれ、優希どうした?」
「先行っといて、後で行くから。」
「あ、そうか。けど、乗り遅れるなよ?」
「ああ、わかってるよ。」
「優希?」
「美桜渡したいものあってさ。これだよ。」
優希は美桜に手紙を渡した。
「え、何これ?」
「後で見といて、今は我慢。」
「そんなぁ、気になるよ…」
「悪いな、美桜。」
「うん。なんか寂しいな…優希とまた会えなくなるって…」
美桜は今にも泣きそうだった。
「泣くなよ美桜、自分で言ってたじゃねえか。」
「うん。だけど…」
「わかってるよ、それは俺だって同じだよ。せっかく美桜と付き合えたけど、しばらく遠距離だからな…」
「うん…」
「また来るから…って言うと来れなかったときの代償が大きいから…どうしよっかなぁ。」
「ねぇ、今度の冬休み一人で来て?」
「え、一人で?」
「うん。だって、冬はイベント盛りだくさんだもん。」
「イベントか…確かに。」
冬はイベント盛りだくさん…クリスマスに大晦日・正月…美桜が『会いたい。』と言うのも無理はなかった。
「わかった。行くよ冬、日程はすぐ決めれないけど、また福岡来るから。」
「約束だよ絶対?男なんだから責任重大だからね?」
「わかってるよ。っともう時間だ。じゃあまたな。」
「冬休み絶対来てよ?」
「ああ。」
優希は構内に向かった。優希の姿が消えると、美桜は優希から貰った手紙を読んだ。
“美桜へ
今回の旅行すごく楽しかったな。あんなに時間が経つのが早い旅行は初めてだったから、尚じゃないけどもう一泊あったらよかったのになぁって…つい思っちゃった。まぁ咲良が組んでくれた日程だから俺に権限はないけどね。福岡着いて久々に美桜と会ったとき、正直『あんな可愛かったっけ?』って思うくらいイメージが違っててびっくりした。ちょっと一目惚れしちゃった…美桜、俺のことずっと好きでいてくれてありがとう。フっちゃったから嫌いになってたと思ったけど、咲良から聞いてほんとに嬉しかった。なんか俺申し訳ないことしたなって、咲良の話聞いて思った。悲しかっただろうけどさ…ほんとごめんな。これからは美桜を支えるからお互い頑張ろうな。ずっと一緒だよ。
美桜、大好き。
優希”
「優希…こんなこと思ってくれたんだ。ありがと。」
美桜は優希の手紙を抱きしめた。