第2章
不公平にしないとは言うものの…
「はぁ…」

優希はため息をついた。こんなに予定が早まるとは…

(美桜か愛佳かどちらか…不平等にしないようにと思うけどさ…難しいって今更思ってるんだよね…それに、今日言うとか咲良マジ何考えてんだよ…)

優希は近くを散歩しながら悩みに悩んでいた。

(どっちも良さがあるからなぁ。まぁどっちか決めて夜の花火は俺と2人のどっちかがデートするんだろうけど…恋愛ってこんなに難しかったっけ?)

約5年も経つと恋愛のことは忘れてしまうのか?優希は途方に暮れていた。

(はぁ…どうしたものかな…)
「優希…?」
「ん?あ、愛佳?」

愛佳が心配そうに優希に声をかけた。どうやら後ろから心配そうに着いてきたみたいだ。

「大丈夫?すごい悩んでそうだけど…もしかして“あれ”?」
「そうだよ…全く急に決めれるかっつうの。」
「そうだよね。ごめんね優希…」
「何で愛佳が謝るんだよ?」
「え、だって私が優希を好きになったばかりに…」
「愛佳に罪はないよ。好きになることはいいことなんだから。」
「優希…」
「だからお前が謝ることはないよ。俺自身の問題だから。愛佳にも美桜にも心配かけたくないからさ…」
「優希…」
「今日の夜まで落ち着けないかもしれんけど…考え込まなくていい、心配すんな。って言うと余計心配するか…」
「ううん優希…大丈夫。優希を信じてる。フラれても私はずっと優希を応援する。」
「愛佳…ありがと。」
「それは美桜ちゃんも同じこと考えてると思うし…」
「多分な。しかし、ここは涼しいなぁ…」
「ほんとだね。」

愛佳は自然と優希に寄り添った。

「優希。」
「何だ?」
「川辺まで行こ?」
「水浴びする気か?」
「どうだろうね…えい!」
「いきなりかよ…そりゃ!」
「お返しー!えい!えい!えい!」

水のかけ合いに優希と愛佳は没頭…そして気が付けば2人とも全身びしょ濡れに…

「ったく少しは加減しろよな…」
「それはこっちだって…」
「どうすんだよ…この格好では戻りたくないしな…」
「ねぇ…あの辺り行かない?」

愛佳が指を指したのは草むらの茂み。

「ここなら大丈夫だよね?」
「どうなんだ…俺が知る訳ないだろ?」
「あーあ服びしょ濡れ…体に張り付いちゃってるよ…」
「………」
「どうしよ…」
(何のつもりだ?気にせん方がいいよな…誘ってない誘ってない。)
「びしょ濡れ…優希しかいないし、服脱いじゃお!」
「えっ…」

愛佳は濡れた服を脱ぎだした。

「ば…馬鹿かお前は…外だぞ?」
「大丈夫だって…どうしたの優希?」
「何のつもりだ?」
「わかってるくせに…」

そう言って愛佳はしゃがんだ。

「んふふ…テント張ってますよ?」
「馬鹿かお前は…」
「んふふ…野外プレイする?」
「咲良たち来たらどう…」
「大丈夫だって…」
(はぁ…)

優希はされるがままだった。

夜明け前 ( 2020/09/06(日) 17:10 )