朝風呂でまさか…
翌朝、誰より早く起きてしまった優希は、朝風呂することに…
(温泉来たからには朝風呂でしょ〜…)
少しウキウキしながら温泉のところまで来た。1人で来たから男湯でもいいが…
(誰かいそうだしなぁ…ゆっくり浸かりたいし…混浴にするかな。)
ということで、混浴風呂へ。朝から混浴に入る人はいないと踏んだ優希、案の定誰もいなかったので、貸し切り状態だ。
(ま、あいつらも入って来ないだろうしいいだろ。しかし、朝風呂はいいねぇ…)
優希はかなり寛いでいた。昨日はドタバタしたので焦ったが、今日は特に何もなさそうなので優希はホッとした。
(こういう時に限って何か起こりそうなんだけどさ…あかんあかん、そんなこと考えたら、現実になっちまう。とりあえず今は、温泉にゆっくり浸かろう。)
優希は嫌な予感が的中することが多々あるが、今はそんなことを考えないことにした。せっかくの旅行が楽しめなくなる。今はボーッとしてるのが一番だ。と…
ガラガラガラ
誰か入って来た。優希は背中を向け見られないようにした。そして横目で誰が入って来たのか見た。入って来たのはなんと…
(え、み…美桜?嘘だろ…何で?)
入って来たのは美桜だった。着替えの場所で誰が入っているか、美桜も知っているが、それが優希だとは知らない筈…優希はより一層見られないように背中を向けた。
「あの…入っていいですか?」
「えっ…あ…はい。」
優希だと知らない美桜はゆっくり浸かった。優希はバレないように横目で見た。が、初めて見る美桜の体に優希は驚いた。
(美桜の体すげー…美桜おっぱいでかくねえか?暫く見てなかったし、服着てる時は全く思わなかったのに…これが着痩せか?)
優希は頭の中で模索していた。と…
「どうかしました?」
「えっ…」
バレたか?優希は目線を逸らした。
「何で背中向けてるんですか?大丈夫ですよ…こっち向いてください。」
「いや…」
(止めろ美桜、今の俺はまずいことになってるから…)
「ほーら…」
「いや…あ…」
美桜は優希と知らずに、前を向かせようとした。すると…
「えっ…ゆ…優希?」
「はぁ…」
ため息をつく優希と、優希と知って開いた口が塞がらない美桜…
「これはだな…」
「優希だったんだ…」
「そ…そうだよ。」
「優希…が…」
昨日の今日というのもあり、2人の間には気まずい空気が漂っていた。