第1章
聞いていた二人の話
その後優希と愛佳は旅館に戻って来た。入り口には咲良がいたが、明らかに表情は怒っていた。

「もう!二人とも身勝手な行動しないでよね?」
「悪りぃ悪りぃ…って愛佳も謝れよ?」
「ごめんね、優希が悪いから…」
「2人とも悪いの!」
「すいません…」

優希は久々に咲良を怒らせたと思った。咲良は怒らすと機嫌を取り戻すまでに時間がかかる…

(あちゃー、やっちまったなこれは…)
「咲良…後で話そか?」
「えっ…」
「優希?」
「咲良はさ、怒らすとやっかいなんだよ。まぁ俺はそれをすっかり忘れてたんだけどね…」
「優ちゃん…」
「そうなんだ…じゃあ私部屋に入ってるね。」
「あの部屋だけど、美音ちゃんと柊ちゃん以外はみんな同じ部屋だから。」
「柊と美音だけ別部屋か…」
「多分尚君がいると思うけど…」
「了解。じゃあ先入ってるね。」

愛佳は部屋に向かった。

「すまなかったな咲良…」
「ううん…私こそこんなんで怒っちゃってごめん…」
「同じ部屋か…」
「うん。」
「そんな部屋取れたよな。」
「でしょ〜?」
「ありがとな咲良。」
「うん。ねぇそれより美桜知らない?」
「美桜?いや〜見てないけど…あ、来た来た。」
「美桜〜!」

手を振る咲良だったが、明らか美桜の様子がおかしかった。優希は遠くからわかってしまった。

「もう美桜どこ行ってたの?」
「ごめん…」
「まぁ美桜も来たことだし部屋行こか?」
「行くか、美桜?」

美桜の目からは涙が溢れていた。優希、それに咲良はなぜ美桜が泣き出したかわからなかった。

「み…美桜どうしたの?」
「優…優希…」
「ん?どうした?」
「お…多田…さんと…つ…付き合うの…?」
「えっ…」
「優ちゃん…これって一体…」
「美桜…まさかあの場に…」

美桜は頷いた。

「はぁ…咲良すまん…」
「えっ…」
「さっきのこと話すな。これは尚・美音・柊には内緒にしてくれ、後愛佳にもな。」
「うん、わかった…」

優希はさっきの出来事を話した。

夜明け前 ( 2020/08/20(木) 10:48 )