美しい桜と音-1学期編- - 第1章
裏校則の正体
優希は視聴覚室にやって来た。滅多に来ない場所だから、優希はかなりの違和感を感じた。

(視聴覚室ってこんな感じだったっけ?ほぼ初に近いからなぁ…イメージが全く湧かんかった。)

一体、何をされるのか分からないまま30分が過ぎた。指原先生の来る気配が全く無い。先生は時間にルーズなタイプでなないので、滅多に遅刻等はしない。しかし、明らかに遅い。

(先生遅いなぁ…まさか残りって言って帰った?それだったら全然有難いけど…そんな訳ないか…)
「ごめーん、遅くなっちゃった。」
「先生、遅刻って珍しいですね。」
「あの後用事が増えちゃってね。さてと、早速…」
「あのぉ先生…」
「何?」
「まさかとは思いますけど、俺退学ですか?」
「それは大丈夫よ。でも、次同じ様な事したら、退学もあり得るかもね。」
「はあ…」
「ま、今回は注意という事で…」
「良かった…」

優希はほっと一安心した。一発退学かと思ったが、そうではなかった。優希は荷物を持ち帰ろうとしたが…

「優希君。」
「はい?」
「安心して帰ろうと思ったかもしれないけど、まだ帰れないわよ?」
「え…どういう…」
「ここの校則は?」
(先生まで何だよ…今日何回言った?)

優希は呆れながら校則を言う。

「学校内・学校外の恋愛禁止。先生…何回言わすんですか?そんなに馬鹿じゃないんですけど?」
「まあまあ、そう言わないの。じゃあ、この学校の裏校則は知ってる?」
「裏校則?裏校則…え?」

“裏校則”…優希には聞き覚えのあるフレーズだった。

【ここの学校には、裏校則があるらしいぜ?】
【裏校則?何だよそれ?】

それは朝方、悠太と話をしていた。まさか裏校則は噂ではなかった。

「あるんだ裏校則…」
「あら、優希は知ってたの?」
「いや…裏校則があるっていうのを、噂で聞いただけなんですけど…」
「そう…じゃあ、詳しい事は知らないのね?」
「まぁ…噂だけだと思ったんで…」
「そっか。じゃあ、裏校則教えてあげる。」

そう言うと、先生は上の服を脱ぎ出した。それを見て優希は慌てた。

「ちょ…先生何して…」
「何って裏校則よ?」

そして、先生は優希にキスをした。優希には全く訳が分からなかった。

「せ…先生?」
「ここの裏校則はね、『エッチオッケー』なのよ。」
「え…えー!?」

優希は思わずびっくりした。益々訳が分からない。何でエッチはオッケーなのか?

「ちょっとどういう事ですか?全く訳が…」
「何が?」
「だから、何でオッケーなんですか?」
「だから、裏校則なんでしょ?」
「いや、全く答えになってないし…ほんとに裏校則ですか?」
「そうよ。嘘を言う訳ないでしょ?」
「いや〜…でもですね…」
「だったらこれを見て。」

先生から渡された紙には、確かに『エッチオッケー』と書いてあった。しかし、表向きの校則には恋愛禁止と書いてあり、裏校則にエッチオッケーと書いてあるのか?

「何か…矛盾してる様な…」
「そう思うのも無理はないよね。でも、私の予想だけど…多分恋すると、勉強が疎かになるからじゃないかな?」
「いや、こっちの方が疎かになる気が…」
「でも、裏校則だったら皆んな知らないでしょ?そんな事より、優希君いいかしら?」
「え…いや、ちょっと…いいって言われても、先生と生徒ですよ?それは流石に不味い気が…」
「固いわよ優希君。」

優希の口を塞ぐかの様に、指原先生はまたキスをした。優希は離れようとするが、先生はそれを抑えようとして、全く離れる事が出来ない。

(何でだ…ダメだって分かってるのに…全く離れれない…何かもう…どうでもよくなってきた…)

優希はようやく抵抗しなくなった。優希は先生の口に舌を入れた。先生もそれに応える。

「んん…はぁ、優希君慣れてるのね。」
「まあ…はい。」
「てっきりチェリーかと思ったけど…チェリーじゃ無いのね?」
「はい…」
「やるね。」
「やるねって…別に良い事ではないし…てか、もし俺がチェリーだったら、先生俺をどうするつもりだったんですか?」
「虐めちゃおかなって…ま、冗談だけどね。」
「ははは…先生、カッター脱がしても良いですか?」
「ようやく乗り気になった?」
「まぁ…ここまできたら、後戻りなんて出来ないし…」
「ふふ、良いわよ。優希君のお手並み拝見しようかな。」
「お手並みって…ハードル上げないでくださいよ…」

先生と生徒の禁断の時間が始まった。

夜明け前 ( 2019/03/11(月) 18:45 )