27話
テストの3日間があっという間に過ぎた。テストが終わった次の日の朝・・・・
深麻「たつき〜、朝だよ。起きて〜。」
リビングのほうから麻衣姉ちゃんの声がした。
たつき「・・・・分かった〜。」
俺は制服に着替えてリビングに向かった。
深麻「おはよう、たつき。朝ごはんできてるよ。」
たつき「ありがとう。」
俺は朝ごはんを食べ、一通りの準備を終えるとすぐに家を出た。登校の途中・・・
あきら「おっす!、たつき。」
たつき「なんだ、お前達か。」
小百合「おはよう、たつきくん。」
たつき「おう、おはよう。相変わらずだな、お前たちは。」
あきら「そういうお前はどうなんだ?、姉ちゃんとうまくいってるか?」
たつき「まぁまぁだな。てかお前、自分の姉ちゃんだろ本人から聞けよ。」
あきら「まぁ、それもそうだな。」
小百合「でも、たつきくんとあきらくんのお姉さん、とっても仲いいよね?」
たつき「まぁ、ふつうにな。」
小百合「あ、でも玲香となぁちゃんがたまに嫉妬・・・・」
あきら「ああああ〜〜〜〜、待て待て小百合。」
小百合「え?」
たつき「ん?、玲香と七瀬が嫉妬?。」
あきら「いや〜、それはだな、なんというか・・」
小百合「・・・・あ、・・・・ごめんなさい。言っちゃいけないことだった?」
あきら「いや、そういうわけでもないというか・・・。」
たつき「なんであの二人が嫉妬するんだ?」
あきら「なんでってそりゃ、あの二人はお前のことが好きだからだよ。」
たつき「は?、おいおい、冗談はよせよ。(笑)あの二人は俺の親友だ。それ以上でも、以下でもない。」
あきら・小百合「・・・・・」
そんな話をしていると学校に着いた。教室には玲香と七瀬、それに真夏が楽しそうにおしゃべりをしていた。俺達3人はその話の中に入っていった。
玲香「テストも終わったし、課題の提出も終わったからみんなでどこか遊びに行く?」
真夏「うん!、いいね。行きたい!。」
小百合「カラオケとかいいかもね。」
あきら「小百合が行きたいなら、俺もカラオケがいいな。」
七瀬「ななはどこでもええよ。」
たつき「それより、いつ行くんだ?」
玲香「あ、そうだった。みんないつ空いてる?」
小百合「私はだいたい空いてるよ。」
あきら「俺も。」
七瀬「ななも。」
真夏「私も。」
みんなが俺を見た。
たつき「お、俺も空いてるけど・・・。」
玲香「よし、じゃあ、次の休みの日。みんなで遊びに行こう。どこ行くかはもうちょっと考えてみる。」
そういって話が終わり、ちょうど授業の始まるチャイムがなった。
その後、授業は進み昼休みになった。いつものメンバーでいつもの屋上に行って昼食をとっていた。
その昼食で次の休み、みんなでカラオケに行くことに決まった。
放課後・・・・
玲香は先生の手伝いが、あきらと小百合はふたりで行くところがあるらしい。真夏はなぜか先に帰ってしまった。つまり今日は七瀬と俺の二人で帰ることになった。
七瀬「たっくんと二人きりって久しぶりやなぁ。」
たつき「たしかにそうだな。」
七瀬「そういえばたっくん、この前のお願い覚えとる。」
たつき「ん、ああ。覚えてるよ。」
七瀬「返事ききたいなぁと思ってんねんけど。」
たつき「ああ、結論から言うと二人きりは無理だな。ごめんな。」
七瀬「・・・ううん。最初からダメ元やったし、それにたっくんには白石さんおるし。」
俺に向けられた七瀬の顔は笑顔ではあったが、なんだか悲しい笑顔だった。
七瀬の言葉を聞いたとき、前から気になっていたことを聞いた。
たつき「なあ、七瀬。一つ聞いてもいいか?」
七瀬「ん?、ええよ。なに?」
たつき「七瀬は好きな人いるか?」
その瞬間、それまで歩いていた七瀬の足が止まった。
七瀬「な、なんで。なんでそんなこと聞くん?」
俺も足を止めた。
たつき「い、いや。答えたくないなら、答えなくてもいいんだ。わるいな、変なこと聞いて。」
俺がまた歩き出そうとしたとき、
七瀬「ななが・・・・なながその質問に答えたら、たっくん、ななと付きおうてくれる?」
たつき「え?、七瀬?。どういう意味・・・・」
七瀬「もう、鈍感!!。ななは・・、ななはずっと、ずーっと昔からたっくんのこと大好きやねんで?」
たつき「七瀬・・・」
七瀬「好きな人おるよ・・・。たっくんのことが好きなんや。」
たつき「七瀬、ありがとう。・・・・でも、七瀬の気持ちには答えられそうにない。ごめん。」
七瀬「あやまらんでええよ。でも、親友でもええから、恋人になれんでもええから、ずっと近くにおってほしい。」
このとき、七瀬の目から大量の涙がこぼれていた。
この後、二人で一緒に帰った。
ガチャ・・・
七瀬「ただいま〜」
七瀬母「おかえり。ん?、なんやうれしそうやな。」
七瀬「なんでもあらへん。ただ、自分の気持ちを伝えられたんや。」
七瀬「なんや分からへんけど、よかったね。」
七瀬「うん!」
一方・・・・
ガチャ・・・
たつき「ただいま。」
深麻「おかえり〜。」
たつき「姉ちゃん、麻衣来てる?」
深麻「うん、たつきの部屋にいるよ。」
たつき「分かった。」
そのまま俺は部屋に向かった。
ガチャ・・・
白麻「あ!、おかえり〜〜。学校楽しかった?」
たつき「ああ、楽しかったよ・・・。」
白麻「ん?、何かあったの?、元気ないよ?」
たつき「ああ、ちょっとな。」
白麻「七瀬ちゃん?」
たつき「なんでわかるんだよ。」
白麻「女の勘よ!(笑)」
たつき「相変わらずよくあたるみたいだな(笑)」
白麻「それでなにがあったの?」
たつき「・・・告白された。」
白麻「え・・・・」
麻衣の顔が少しだけ暗くなった。
たつき「ちゃんと断った。大丈夫だよ。」
白麻「フフッ、分かってる。あ、今日私泊まるからね。」
たつき「親父さんは大丈夫なのか?、怒ったりしてないのか?」
白麻「大丈夫!、さっ!、リビング行こう。そろそろまいまいの夕食もできると思うし。」
その後は世間話をしたり、学校のことを話したりした。そうして一日が終わった。