16話
その夜、俺は自分の部屋のベランダに出て星空を見上げながら、あることを考えていた。そのとき、
玲香「なに悩んでるの?」
なぜか俺の部屋に玲香がいる。
たつき「なんでお前がいるんだよ。」
玲香「別にいいでしょ!さっき麻衣さんからカレー作りすぎたから一緒に食べようってさそわれたんだよ。」
たつき「ってことは・・・」
玲香「そう、麻衣さんはうちの母さんと父さんと楽しくおしゃべりしてるよ♪」
たつき「やっぱり・・・」
麻衣姉ちゃんと玲香の両親はとても気が合うらしく、話し始めるとしばらくは終わらない。
玲香「それで?、何悩んでるの?」
たつき「なんで悩んでるなんてわかるんだよ。ただ星を見てただけだよ。」
玲香「はぁ〜〜、何年一緒にいると思ってるの?、そぐらいわかるよ。私、相談乗るよ?」
たつき「分かったよ。かなわないな、玲香には。」
玲香「今更すぎるよ(笑)、それでどんなこと?、テストとか成績?」
たつき「そんなわけあるか!」
玲香「じゃぁ、どんなこと?」
たつき「俺、好きな人ができたかもしれない。」
玲香の顔が一瞬暗くなった。玲香はそのままうつむいていた。
たつき「玲香?、どうした。おい玲香?」
玲香(好きな人ってどういうこと?、私かな・・・・、いやたつきだったらちゃんと告白してくる。私に相談してきたってことは少なくとも私じゃない。ってことはなぁちゃんかな・・・・、そうなったらどんなアドバイスしたらいいの?それにたつきとなぁちゃんが上手くいったとして、私はどうやって接すればいいの?、でも少なくとも言えることがある。たつきが私以外の人と付き合うのは嫌!、私はたつきが好きだから。)
たつき「・・・か、・・・いか、・・・れいか、・・・玲香!」
玲香「え?・・・・・」
たつき「どうしたんだよ、いったい。」
玲香「いや、なんでもない・・・・。そ、それで、誰なの?その好きな人って。この恋のキューピッドである玲香様が助けてあげよう♪(笑)」
俺にはなんだか玲香が無理しているように見えた。
たつき「キューピッドって(笑)」
玲香「いいから、だれなの?」
たつき「・・・白石さん。」
玲香「え?、ほんとに?」
たつき「ああ、」
玲香「・・・そっか」
たつき「それでだな、玲香。俺、こ・・・告白しようと思うんだけどどうすればいいか分からないんだ。どういえばいいんだ?」
玲香「はぁ〜〜〜」
玲香(そうだった。たつきは昔からとてつもなくモテるし、たくさん告白されるけど自分からいくことはなかったんだった。)
たつき「なんだよ、そのため息。」
玲香「ふつうに好きですでいいの!!」
たつき「そんなものでいいのか?」
玲香「まずは、自分の想いを伝えることがとっても大事なの!!」
たつき「そっか・・・」
そういうと、俺は趣味であるベースを弾き始めた。
玲香(まったく、悩む時間が長くなるとすぐベースを弾き始めるんだから。)
玲香「私も弾く!」
そういうと玲香は俺の部屋に置いてあるギターを弾き始めた。
玲香「そういえば、なんでたつきはギターじゃなくてベースにしたの?似たようなものなのに。」
たつき「似てるけどまったく別物なんだよ。ギターはコード弾きだけどベースは単音弾きだし、ベースのほうが重低音だしバンドでもあまり目立たず、だけど欠かせない。そんなところに魅力を感じたからベースにしたんだよ。」
玲香「そっか」
玲香父「玲香ー、もう帰るぞ。」
玲香「はーい。じゃぁ、もう帰るね、たつき。」
たつき「おう、ありがとな相談のってくれて。」
玲香「あのぐらいなら、いつでも乗ってあげる(笑)」
そういって玲香は帰って行った。
それから俺はリビングに降りた。
深麻「あ、たつき。ちょうどよかった、明日まいやんくるからね?」
たつき「え?、マジで?。・・・」
深麻「うん、なんかまずかった?」
たつき「いや、別に・・・」
そういって、俺は眠りに入った。