天才VSコピー
ここは乃木坂に来てから2日目の昼休みの体育館。
俺と遥輝はコートの中心で睨み合っている。
遥輝が覚えているかはわからないが俺は一度遥輝を倒したことがあるんだ。
そういえばあの時も突然人が変わった。
海人「よろしくお願いします。」
遥輝「よろしくお願いします。」
握手を交わしてジャンプボール。ん?これ普通の1on1じゃないのか?
何故か試合形式で始まった。
ビーーー
海人「そんじゃ早速新技を。」
ストン。
ジャンプボールを取ってさっそくその場で3ポイントを決めた。
海人「悪いな。俺と健ってやつは侑斗の力を引き継いで強くなってる。」
遥輝「そう来なきゃおもしろくありませんよ!」
続いて遥輝ボールで始まるが……。
海人「まさか。」
ストン。
海人「へぇ。こんな大技もコピーできてるんだな。」
遥輝「初めて使ったときは身体が壊れそうになりましたけどそれから鍛えたんです!」
おもしろいな。どこまで俺の動きについてこれるか試してみるか。
俺は自身の俊敏性と跳躍力をめいいっぱい解放した。
解放してからは点を取られずにただひたすら遥輝を圧倒する展開に。
ビーーー!
第1Qの点差は22ー3。自分の思ったよりは差はない。
金川「お兄さん強い……。」
遥香「今の遥輝でも歯が立たないなんて。いやいや!これから遥輝たちが海人さんを倒しますから!」
海人「フッwやってみろ!」
第2Qはシオンが来るか。正直こいつは苦手だ。コートいる選手全体の動きを完全に把握して先を予測するからタチが悪い。
しかも相手の筋肉の動きで即座にボールを奪ってくる。
シオン「何?」
海人「悪いな。こうして後ろでドリブルしてれば取れないだろ?これは1on1だからな。」
シオン「( `-´ )クッ
ならば。」
ファールぎりぎりのプレイで詰め寄ってくるが俺はすんなりかわしたつもりでいたが。
シオン「そうやって避けると思ったさ。」
海人「マジか」
ストン。
なるほど。上手く俺を動かしたか。それじゃこっちも遠慮なく第2形態に入るか。
海人「(´-ω-`)ふー」
シオン「ゾーンか。ただでさえギリギリ止められるレベルなのに不味いなw」
遥香「怖気づくなーー!二人で行けーー!!」
海人「二人で?」
更に雰囲気が変わった?さっきの遥香ちゃんの言葉からして二人が一つになったのか?
橋本「ホントにやってるしw」
みんな「奈々未さん!?」
金川「はい!第2Qからなんとか互角に渡り合ってます!」
橋本「互角じゃないよ。遥輝が負けてる。噂には聞いてたけど彼バケモンだね。海人くん普通にプロレベルだもん。」
ってやり取りしてたみたいだが俺は勝つことだけを考えていたので知らない。それは遥輝も同じだ。
ビーーー!
30ー10か
ほぼ互角で進んだから点差はあまり変わらない。
橋本「よっ!なぁちゃんとこの教え子でしょ?」
海人「ハァ…ハァ…ななみん!?そっか。ここ乃木坂だからどのOBがいても不思議じゃないのか。」
橋本「(╭☞•́⍛•̀)╭☞そゆこと。海人くんに一つ言っとくね。遥輝がゾーンに入る前に圧倒的な点差にしなきゃ負けるよ。わかってると思うけどw」
それは俺もわかってることだ。
ななみんはそれだけ言って遥輝のところに行った。
海人「遥輝とシオンの気持ちをシンクロさせるためにも負ける訳にはいかない。俺は二人の超えちゃいけないラインにならなきゃいけないんだ。」
史緒里「海人!頑張って!負けたら承知しないんだから!」
海人「いやいやw後輩応援してやれってのw
まあでもありがと!」
第3Qが始まるのでコートに入るが俺の嫌な予感が当たってしまったことに気づく。
海人「ゾーン。ななみんの助言の力か。」
橋本「(´ิ罒´ิ)ニヤ」
海人「ハァ…wそれでも負けないけどな。」
侑斗(俺の力を貸すよ。そうすれば今の彼にも勝てる。)
海人「侑斗!?わかった。借りる。」
不思議な気分だ色んな攻撃方法が一瞬で思い浮かんで一瞬で行動に移せる。
橋本「嘘!?海人くんも覚醒しちゃってるじゃんw」
金川「やっぱり奈々未さんにもそう見えますか。」
橋本「うん。」
さくら「私たちでもわかります。」
金川「色んな人の技を即座に身につけてる。」
橋本「そうだね。遥輝とシオンはどこまで粘れるかな?w」
キーンコーンカーンコーン
ビーーー!
第3Qが終了したところでチャイムが鳴った。次の授業が芸能科合同体育で良かったw
40-16
圧勝
海人「お疲れ様。第4Qはまた今度やろう。」
遥輝「(・ε・`)チェッ
また負けた。でも楽しかったです。」
二人で握手をかわすと拍手が沸き起こった。
白石「奈々未ホントに来てるしw帰りなさい!きいちゃん探してたよ?w」
橋本「はーい。そんじゃまたね!近いうちに海人くんの高級中華料理店に食べに行くからよろしく!」
行っちゃった。あの人も太郎さん並に自由だな。しかもどっちも社長だし。共通点が多い。
遥輝「もっと自分のコピーの制度を上げてもっとシオンとシンクロしなきゃ勝てない!」
シオン「悔しいが言い返せない。遥輝、一緒に乗り越えるぞ。」
良かった。無事に二人の共通の目標になれて。
史緒里「ところで海人は答えを見つけられ…」
海人「聞かないで。根本的に違うところがわからない。名前とかメンバーとかはともかく。」
自分の課題はまだ解決していない。何もわからないんだ。