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三章 二人のセンター
隠された秘密
海人のやつは何でここに来たんだ?まぁいい。続けよう。


俺は今めちゃくちゃ寒い体育館にいる。冷房聴きすぎなんだよ!💢
そんな俺の気持ちは関係なく、50分くらいぶっ通しで練習した。


中田「はい、集合!1番はもう完璧に近いね!後半は1番をもっと完璧にできるようにしよう!」
「はい!!」
中田「それじゃ20分休憩ね!」


休憩時間に入ると同時に少し気になったことがあるがそんなこと考えてる暇はなかった。


織田「侑斗くん、ありがとね!」
侑斗「何が?」
織田「ゆいぽんと同じチームにしてくれてありがとう!」
侑斗「はぁ…。決めたの俺じゃないけど…。」
小池「そうなん?w男子トリオで決めたと思ってたw」


俺は誰がどんなことしてきたのか一応説明してみた。


侑斗「俺は作曲、健が作詞、海人が振り付けとメンバー構成って感じ!」
田村「侑斗先輩そんなことできたんですね!意外です!」
松田「私は音楽苦手な人だと思ってました!」
井上「意外にもめっちゃ音楽の才能を持ってたんですね!」


1年から酷い言われようだな…。ひかる以外は。ん?ひかるは?


辺りを見渡すがいない。


侑斗「ひかるはどこに行った?」
小池「ひかるちゃんに恋でもしてるん?」
侑斗「違う!」
中田「さっき追いつめた顔して出ていったけど大丈夫だよ!ぽんちゃんも一緒だからw」
侑斗「そうか。あいつが一緒なら大丈夫か。」


それだけ言うとみんながニヤニヤして見てきた。俺何かしたかな?


侑斗「俺が何かしたか?」
織田「相変わらず凄い信頼関係だなぁ〜って思ってさwみんなも同じ感じじゃない?」


みんなが頷いて返事した。信頼か。たしかにある。でももう時期消える……。だからそのまえに……。


由依「どうしたの?」
侑斗「うわっ!ビックリした…。」
由依「なんか悩み?後で教えてね!」
侑斗「断る!」
由依「なんでよ!」


俺は後ろからド突かれた。
いつのまにか帰ってきてるしw


茜「あのさ、何で2人はそんなラブラブなのに付き合わなかったの?」
侑斗&由依「仲良しな幼馴染だから!」


由依のやつ何でハモらせるんだ!ヒュー、ヒュー言われちゃってるじゃんか!


侑斗「良かったな。良い友達に囲まれて。」
由依「いきなり何?w怖いんですけどw」
ひかる「もしかして……。」


俺ひかるに話したっけ?みんなに秘密にしてるはず……。


ひかる「ゆいぽんさんのこと大好きなんでしょ!」
侑斗「はぁ〜、そんなわけ……。ある。」


なんだ?今度はめっちゃくちゃマジメな顔になった。人のこと言えないけど表情豊かだな…w


由依「何か隠してる。何?絶対に大切なことだよね?」
上村「人は死ぬ前に素直になるって言うけどもしかして病気なの?」
侑斗「縁起でもないこと言うな!久しぶりに素直になってみただけだ。」


バレる訳にはいかない。そして初ライブが終わるまでは生きなくちゃいけない。それだけだ。


中田「おーい!もう10分もオーバーしてるよーw」


おまえは誰よりも俺を心配してくれる。逆に俺も誰よりもおまえたちを…いや、おまえを心配してる。これが似た者同士ってやつなのかもしれない…。


このあと先生の一言で練習に戻った……わけではなく……。


ひかる「侑斗さん!今日中に1番と2番を完璧にできたら秘密を教えてください!」
侑斗「断る!というか秘密なんかない。」
齋藤「みんな聞く人を少し間違えてるよw先生たちは絶対に知ってる!」
茜「それ私も思った。」


( ◉ ω ◉)ギロ


中田先生と七瀬先生は知ってても不思議じゃないか。少なくとも美彩先生は知ってるから。球技大会のときも本当は…。


茜「中田先生!白状してください!」
中田「知らない!ホントに何の話なのかさっぱり分からない!ほら、今度こそ練習再開するよ!」


このあと練習を再開し、休憩を挟みながら踊り続けたが完璧な人は一人も出ず、俺が秘密を話すことは無かった。いや、完璧だったとしても言わない。

深見飛彩 ( 2022/07/29(金) 20:52 )