第7章
第156話


売り込みを始めてから2時間が経過した。
時計の針はもうすぐ11時を指そうとしていた。

蒼「もう11時か・・・12時から当番だけど、どうする?」
七瀬「ん〜・・・あ、そう言えば、10時半から体育館で何かやってるって言うてなかった?」
蒼「体育館?・・・あー、そう言えば生田がイベント祭の予選あるって言ってたっけな。」
七瀬「そうそれ!なな、イベント祭見に行きたい!」
蒼「分かった、じゃあ行こっか。祐希も来るんだろ?」
与田「もちろん!」

そのまま3人で体育館に向かおうとしたその時。

「あー、与田見つけた!」

蒼「ん??」

声のする方を見ると梅澤と山下がこちらに走ってきていた。

与田「あれ、梅とやま!どうしたと?」
梅澤「どうしたと?じゃないでしょ!与田、11時から当番じゃん!」
与田「・・・あ、ほんとだ、忘れてた!」
梅澤「もう、しっかりしてよ〜!ほら早く、行くよ!すみません先輩、与田お借りしますね!」
蒼「どうぞ。」
与田「あ、あとせめて10分!いや5分だけ」
梅澤「だめ、ほら行くよ!山下、手伝って!」
山下「はーい・・・あ。」

何かを思いついたのか、山下が蒼に近づく。

山下「先輩、ちょっと耳貸してください?」
蒼「え、なに。」
山下「(・・・・・・。)」

周りに聞こえないように蒼の耳元で何かを囁く山下。

蒼「・・・。」
山下「じゃ、先輩、行きますね!また後で!ほら与田、行くよー!」
与田「蒼くん、七瀬さん、ありがとうございました〜楽しかったでーす!」

連れ去られながらそう言い残す与田。
あっという間に姿が見えなくなる。

七瀬「祐希って、やっぱちょっと抜けてるところあるな。」
蒼「ちょっとじゃない気がするけどな。よし、じゃあ気を取り直して、行こっか、イベント祭。」
七瀬「うん!」

こうして2人は体育館に向かった。


Haru ( 2022/03/20(日) 18:03 )