第142話
絶頂を迎えた梅澤と久保。2人は、蒼の目の前で腰を震わせている。
蒼「2人とも、大丈夫?」
頷く梅澤。が、久保はのぼせたのか顔が赤いままだった。
蒼「ちょっとのぼせたかな?身体洗って出よっか。ほら、立てる?」
立ち上がろうとする久保。しかし、力が入らないのかうまく立てない。
蒼「・・・久保、ちょっと我慢してね。」
そう言って久保を抱きかかえる蒼。そのまま浴室を出て脱衣所のソファに寝かせる。
蒼「梅、悪いけど久保のこと見といてくれる?俺、水買ってくるから。」
梅澤「分かりました。お願いします。」
蒼は急いで身体を拭き服を着た後、温泉の外にある自販機に向かった。
数分後戻ってきた蒼。2人にそれぞれ水を渡す。
蒼「久保、飲める?」
久保「ありがとう、ございます・・・」
キャップを開け水を飲む久保。他の2人も同様に水を飲む。
少ししておさまったのか、久保の顔色が戻る。
久保「・・・ふぅ、もう大丈夫です。ごめんなさい迷惑かけて。」
蒼「いや、俺がやりすぎた、ごめんね。」
久保「そんな、私がして欲しいって頼んだことですから!それに、私嬉しかったです、先輩にその・・・触ってもらえて・・・」
蒼「久保・・・とりあえず服着よっか、流石に目のやり場に困る。」
久保「っ!!ご、ごめんなさい!すぐ着ます!」
久保は恥ずかしそうに立ち上がり脱衣所へ向かっていった。
先に着替えていた梅澤と2人きりになる蒼。
蒼「梅は大丈夫?」
梅澤「大丈夫です。先輩、ありがとうございます。」
蒼「?」
梅澤「私も嬉しかったです。先輩に身体触ってもらえて。」
蒼「そ、そう、良かったよ。」
梅澤「本番できなかったのは悔しかったですけど。でもまぁ、あの状況じゃ仕方なかったですもんね。」
蒼「まあね。それに、ゴムもなかったし、俺は元々入れるつもりはなかったから。」
梅澤「確かに・・・先輩って、意外とちゃんとしてるんですね?」
蒼「そりゃ、まだ学生だから。それに、女の子は身体大事にしないとでしょ。そんな無責任なことできないよ。」
梅澤「・・・かっこいいですね、蒼先輩。なんだか尊敬しちゃいます。」
蒼「そう?普通だと思うけどな。」
梅澤「先輩は変わってますよ、良い意味で。」
蒼「それ、褒めてる?」
梅澤「もちろん。」
自然と笑みが溢れる2人。
梅澤「でも、次は最後までしましょうね、先輩。」
蒼「え、次?」
梅澤「当たり前です。こんな終わり方じゃ私、満足しないので。」
蒼「そ、そうか・・・まぁ、機会があればね。」
梅澤「約束ですよ、言いましたからね?」
久保「す、すみません、お待たせしました。」
着替えた久保が戻ってくる。
蒼「じゃあ、そろそろ戻ろっか。もう3時前だし、バレたら怒られるから静かにね。」
梅澤「はーい。」
久保「はい、分かりました。」
3人で歩いて宿の方へ向かう。どうやらみんな寝ているようだ。
蒼「じゃあ、俺あっちだから。2人ともまたね。」
梅澤「はい、また明日。」
久保「また明日・・・」
2人に背を向け部屋に向かおうとする蒼。
不意に久保が蒼の手を取る。
振り向く蒼に、そっとキスをする久保。
数秒後、唇が離れる。
久保「じゃ、じゃあ、おやすみなさい・・・。」
蒼「・・・ん、おやすみ。」
その後梅澤にもキスをされた蒼。部屋に戻り布団に潜る。
蒼「ふぅ・・・ねむ・・・」
こうして蒼は集合時間ギリギリまで眠りにつくのであった。