第5章
第102話

店を出た2人は駅前の商店街を歩きながらアイスを食べていた。

飛鳥「ん〜、美味しっ!ねえ蒼もコレ食べてみてよ!すっごい美味しいの!」
蒼「どれどれ・・・ん、ほんとだ、美味しい。」
飛鳥「でしょ!蒼のもちょっとちょうだい!」
蒼「どうぞ。こっちも美味しいよ。」
飛鳥「いただきまーす・・・ん、なんか、大人な味だね。こっちが甘いから余計そう感じる・・・。」
蒼「飛鳥は舌がお子ちゃまだからなあ。」
飛鳥「殴るよ?」
蒼「冗談だって・・・。」

アイスを食べながら商店街を見渡す飛鳥。
商店街を通るのはずいぶん久々だったため、見たことない店やあったはずの店が他の店に変わったりしていた。

飛鳥「え〜、ここにあったベトナム料理屋さんなくなってる〜!ショック・・・。」
蒼「飛鳥のお気に入りだったのにな、残念。」
飛鳥「まぁ、また良いとこ探そっと。あ、本屋ある。ちょっと寄っていい?」

本屋に寄る飛鳥。いつもなら小説コーナーに真っ先に行く飛鳥。しかしそこを通り過ぎ飛鳥は1番奥の参考書コーナーで立ち止まる。

蒼「あれ?今日は小説じゃないの?」
飛鳥「今日は我慢する。それより蒼、英語の参考書で良いのないかな?私そういうの全然分かんなくて。」
蒼「英語か〜。どういう感じのが良いの?長文読解とか、単語帳、あとは・・・文法書とか。」
飛鳥「単語帳は一応持ってるから、長文読解かなあ。」
蒼「長文読解ね。ちょっと待ってて。」

蒼はそう言うと参考書を順に手に取り、パラパラとページを捲って内容を確認する。

数分後、一通り参考書を確認した蒼はそのうちの数冊を手に取り飛鳥に渡す。

蒼「はい。一応難易度別に1番良さそうなの選んでみたから、あとはどれが合ってるか自分で選んで。」
飛鳥「分かった。」

飛鳥は参考書を開き、真剣に吟味する。数分後、無事参考書を選び終えた飛鳥。

飛鳥「決まった、これにする。」
蒼「俺も飛鳥はそれがいいと思ってた。解説もわかりやすいしな。」
飛鳥「うん。じゃあ、買ってくるね。」

そう言ってレジに向かう飛鳥。参考書を購入し終え、本屋を出る。

その後はいつも通りの会話をしながら家に着いた。
飛鳥と別れ、家に入ると、リビングから話し声がする。
玄関には、見慣れた靴が2足。

蒼「(これは・・・あいつらだな。)ただいまー。」
与田「あ、蒼くんおかえり!」
「お兄さん、お邪魔してます!」

来ていたのは与田と、でんちゃんこと、佐藤楓だった。

蒼「やっぱ与田とでんちゃんか。最近ずっと来てない?」
佐藤「そうですか?2日に1回くらいですよ?」
蒼「充分多いよ・・・。またゲーム?」
与田「そう!蒼君もしますか!?」
蒼「夕飯終わったらね。どうせ食べて行くんでしょ?」
与田「あ、今日泊まりです!お泊まりセットも持ってきました!」
蒼「マジか・・・。まあいいや、じゃあご飯作ってくる。」
「「はーい!」」

一度部屋に戻り着替えた蒼はキッチンに行き冷蔵庫を漁る。

蒼「今日は・・・コレでいいかな。」

30分後、料理が完成する。
完成した料理をテーブルに並べ3人を呼ぶ。

蒼「ご飯できたよ。ほら、ゲームやめて。」
与田「はーい!わ〜いい匂い!あ、生姜焼きだ!」
佐藤「すごい美味しそう!手洗ってこよ〜っと!」

みなみはいつもの如く堀たちと遊んでいるらしいので4人でテーブルを囲む。

生姜焼き、さつま芋の味噌汁、卵焼き、サラダ。コレだけあれば文句もないだろう。

与田「いただきまーす!・・・ん〜、美味しい〜!」
蒼「良かったよ。」
佐藤「お味噌汁も美味しいです〜。与田の好きなさつま芋入ってるよ!」
与田「ありがとう蒼君!」
蒼「たまたまだけどね。」


その後蒼は夕食を食べながら与田たちとの会話を楽しんだのだった。


Haru ( 2021/11/01(月) 21:24 )