第3章
第49話


声のする方向を見ると見慣れた人物の姿があった。

大園「やっぱり!れんたんのお兄さんだ!」
蓮加「お兄ちゃん!それに飛鳥さんも!」
梅澤「まさかお二人もプリクラを?てことはつまり・・・デート!?」
蒼「まぁ、そんなとこかな。」
大園「ええ〜、独り占めはずるいです飛鳥さん〜。桃子もお兄さんとデートしたい〜!」
梅澤「ちょっと桃子!こんなとこで何言ってんの!」
蓮加「蓮加は今度遊ぶもんね〜!」
大園「え〜、お兄さん、桃子はどうですか〜?」
蒼「うーん、じゃあ、また空いてる日があればね。」
大園「ほんとですか?やったー!絶対空けますね〜!」
梅澤「はぁ・・・すみません蒼先輩。」
蒼「いいのいいの。梅は相変わらずお姉さんって感じだね。」
梅澤「よく言われます。・・・あの、蒼先輩、飛鳥さんに何かしました?飛鳥さんずっと顔真っ赤ですけど。」
蒼「え?あ、あぁ別に何もしてないよ?多分プリクラとか久々で恥ずかしかっただけなんじゃないかな。」
梅澤「ふーん・・・なんか怪しい気もしますけど、まあいいです!それよりどうです?せっかくなので5人で撮りませんか、プリクラ!」
蒼「え、いやいいよせっかく3人で遊んでるのに。」
大園「ええ〜、いいじゃないですか撮りましょう〜!」
蓮加「撮ろうよお兄ちゃん!」
梅澤「2人はこう言ってますけど、飛鳥さんはどうです?」
飛鳥「私もまぁ・・・いいけど。」
蒼「マジか。」
梅澤「じゃあ決まりですね!さ、じゃあ行きましょう!」

数分後、順番が回ってきたので5人でプリクラを撮る。1日で2回も撮るなんて蒼にとって初めてのことだった。

無事撮影を終え、印刷されたプリクラを切り分ける。

梅澤「うん、蒼先輩も可愛く写ってますね!」
蒼「俺に可愛いさは要らないでしょ・・・。」
梅澤「じゃ、私たちはここで!ありがとうございました!」
大園「またねお兄さん、飛鳥さん〜!」
蓮加「バイバイお兄ちゃん楽しんでね〜!」

こうして3人と別れを告げ、蒼と飛鳥はショッピングモールを後にした。

蒼「まさかこんなに後輩に会うとは。じゃあ、ご飯でも食べに行くか。何食べたい?」
飛鳥「お肉。」
蒼「この前BBQしたばっかなのに?まあいいや、じゃあ駅前の焼肉屋行こうか。」
飛鳥「うん。」

駅前の焼肉店に入る。
飛鳥は何か考え事をしているのか、いつもより口数が少ない。

蒼「あのさ、飛鳥。」
飛鳥「・・・。」
蒼「飛鳥?」
飛鳥「え?あぁごめん、ぼーっとしてた。」
蒼「いいよ。それよりほら、肉焼けてる。」

飛鳥に肉を取り分ける。
何もなかったかのように振る舞う蒼。
突然飛鳥が箸を置いた。

蒼「あれ?もうお腹いっぱい?」
飛鳥「いや、まだ食べれるけど・・・それよりさ。」
蒼「ん?」
飛鳥「さっきの蒼はどう思った?」
蒼「さっきのって?・・・あぁ、キ」
飛鳥「しーっ!ちょっと、なんで言おうとしてんのよ!」
蒼「いや、飛鳥が聞いてきたんじゃん。」
飛鳥「どう思ったかだけ聞きたかったの!そのワードは出さなくていい!」
蒼「そうか。んーどう思ったって言われてもなぁ。ビックリした。」
飛鳥「・・・それだけ?」
蒼「あとは・・・うん、ないかな。」
飛鳥「そっか・・・そうだよね。」
蒼「・・・ごめん、今嘘ついた。嬉しかったよ。」
飛鳥「え?」
蒼「いやまぁ、うん。はい、この話終わり。」
飛鳥「ふーん、そっか。嬉しかったのか。」
蒼「さぁね。」
飛鳥「ふふっ、そっかそっか。あーなんかスッキリした!お肉食べよーっと!」

元気になった飛鳥はその体の細さからは考えられない程のお肉を平らげた。

その後、食べ過ぎもあり電車で少し気分が悪くなった飛鳥だったがなんとか家に帰宅。

こうして、色々あった2人の久々のデートは幕を閉じた。


■筆者メッセージ
最近自分の書いている小説の会話部分が多すぎることに気付きました、Haruです。

何故かつい書きすぎちゃうんですよね・・・。皆さんも会話多いなとお思いのことでしょうが、このまま温かい目で読んでいただけるとありがたいです。

では、明日の更新をお楽しみください。
Haru ( 2021/10/05(火) 09:35 )