第2章
第22話

?「すみません、橘先輩ですか?」
蒼「そうだけど、もしかして手伝いに来てくれた?」
?「そうです。私1年の筒井あやめです。」
?「同じく1年の清宮レイです!よろしくお願いします!」
蒼「3年の橘蒼です。よろしくね。」
清宮「私知ってます!入学式で挨拶してた人ですよね!」
筒井「ちょっとレイちゃん!先輩なんだから人って言うのは・・・」
清宮「あ、そっか、ごめんなさい!」
蒼「いいのいいの、気にしないで。じゃあ、パッとやっちゃおっか。」

筒井、清宮と共に3人でテントの骨組みを作っていく。

筒井「そう言えば、入学式の挨拶って橘先輩が考えたんですか?」
蒼「そうだよ。本当は生徒会長が毎年やるんだけど体調崩しちゃってさ。で、設楽先生に急遽頼まれてやったって感じかな。」
筒井「すごい・・・私、とても感動したんです。2つしか違わないはずなのに、凄く良いこと言うから・・・。」
清宮「私も!ていうか周りのみんなも凄く感動してました!」
蒼「なんか照れるなあ。でも嬉しいよ。」

後輩に褒められることに少し照れながらも蒼は素直に喜んだ。

筒井「あの、橘先輩、少し相談良いですか?」
蒼「俺で良ければ。」
筒井「先輩って生田さんと仲良いですか?」
蒼「生田?3年間同じクラスだし割と仲良い方だと思うよ?どうしたの?」
筒井「実は私、中学が生田さんと一緒で、ずっと憧れてたんです。でも一度も話せなくて・・・。この高校も、生田さんを追いかけて入学したんです。でも話しかけるのもなんか申し訳なくて・・・。」
蒼「うーんそうだな・・・分かった、俺に任せて。話す機会つくってあげる。」
筒井「良いんですか?私今日先輩と知り合ったばっかりなのに。」
蒼「そんなの気にしなくて良いよ。頼れる時に頼っておくのが後輩の特権だから。」
筒井「橘先輩・・・。ありがとうございます。」
蒼「いいえ。ってあれ、清宮さんは?」
筒井「え?レイちゃん?さっきまでそこで・・・ってレイちゃん何してるの!?」

後ろを振り返ると清宮がいじけながらひたすら草をむしっていた。

清宮「暇だから草抜きしてた!だって先輩とあやめん2人で話して私入れてくれないんだもん・・・。」
筒井「レイちゃんごめんー。」
清宮「えへ、許す!さ、続きやろーっと!」

その後、集まった他の生徒たちも交えテント設営をした蒼たち。それぞれは来たる体育祭本番に向けて密かに心を昂らせるのであった。

Haru ( 2021/09/19(日) 11:38 )