第7話
登校2日目。
今日からは通常授業が始まる。
不安と少しのワクワクを胸にしまい最寄駅の改札を出た。
『今日はちゃんと間違えないようにしないとな。』
そう心で呟きいつもより数段注意を払い道を進んでいく。そもそも同じ制服を着た人たちに着いていけばいい話なのだがそこまで頭は回らなかった。
「ねー!内田くーん!おはよー!」
「あっ、白石さんか、おはよう。」
「何回も声かけたのになんで無視すんの!」
「ごめんごめん。今日こそは道迷わないようにと思って集中してたからさ」
おどけて答える。
「え、今日こそはって昨日遅刻したのって道間違えてたの!?ていうか、どうやったらこの道間違えるの…」
「あ、言ってなかったっけ?僕すごい方向音痴でさぁ」
「あ、そうなんだね!内田くんほんと面白いね!ふふっ」
「え、僕って面白いの?」
「そう!そーいうとこだよ!」
「は、はぁ…」
そんな話をしていると校門を通り教室へとついた。
「お、直樹おはー!」
教室へ着き自分の席に着くと智大がやってきた。
「智大おはよー。」
「お前今日はちゃんと来れたんだなっ!まぁただまっすぐ歩けばいいだけなんだけど」
「これた!今日は白石さんも一緒だったしね。」
「あ、そーなん?白石さん、こいつの介護お疲れ様ですっ!」
智大がおどけて隣の席の白石さんに敬礼する。
白石さんもそれに合わせて敬礼を返す。
「あ、ななみんきたー!」
白石さんが橋下の席へ行く。それにつられてついて行く僕と智大。
「ななみんおはよー!今日は寝坊しなかったんだねー」
ボサボサの頭をした橋本さんに話しかける白石さん。
「まいやん、この髪みて本当にそれ言ってる?」
「うん。そーだよー!だってななみん髪の毛ボサボサでも可愛いもん!」
「そっちこそ。」
なぜか笑いあっている2人。僕たち2人には理解できなかった。
そんなこんなでチャイムが鳴った。
今日も1日楽しく過ごすことができそうだ。