大人の階段 〜十七の夜〜
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12月24日

 世間ではクリスマスだ、クリスマスイブだとか言って浮かれている。

 オレはそんな浮かれるこの時期が大嫌いだった。

 でも……今年は違う。なぜなら、オレにも最愛の彼女が出来たからだ。


 さらに、今夜は家に誰もいない。つまり、今日この日オレに大人になれと神が与えてくれたとしか思えないんだ。



 そんなこんなで今日は全く眠れず朝から全く落ち着かない…… 訳もなくスクワットをしてみたり、シャドーボクシングをしてみたりとずっとソワソワしている。

 誰だってそうだろ?
これまで散々オレはバカにして来た悪友たちとやっと対等になる。そう考えればじっとなんかしてられる訳ない。



時刻は9:30

 まだ少し早い気もするが携帯を手にし愛する彼女に電話を掛けた。彼女が設定した軽快な呼び出し音が続く。その音がオレの心をますます浮き足立たせる気がした。

(まだ出えへんのか…)

『もしもし…』

 彼女の寝ぼけ声が電話から聴こえた。

「あ、も、もしもし!亮やけど、ゴメンな寝てた?」

 緊張で少し声が上ずったかな?いやいや大丈夫だ

『もしもし?ううん、うとうとしてただけやで!』

「そっかそっか、それならええねん」

 多分、寝てたのだろうがそんな事をわざわざ指摘するほど野暮じゃない。

『で、どうしたん?』

「いや今日さ… あの…どっか出かけへん?ほら!クリスマスやし、買いもんとかさ」

「ええなぁ!朱里もちょうど買いたいもんあるねん」

 良し!スマートに誘えた。しかも彼女も乗ってきた。

「ほんじゃ…11時に梅田の改札んとこでどうかな?」

『11時やんな。わかった!ほな、またね』

「うん!またな」

 彼女との通話を終えた。

「ぃよっしゃぁぁぁ!」

 オレは雄叫びを上げ、優勝を決めた投手のように大きくガッツポーズをして全身で喜びを示した。




■筆者メッセージ
短篇の3作目ですね

全3話の予定になります
絹革音扇 ( 2013/12/23(月) 21:23 )