見てるだけ・・・
04
 あれから、数年の月日が過ぎ去った。






 夫は街を歩いている。その先に誰かがいた。どうやらショーケースの中にあるバッグを見ているようだ。

「なんだ、それが欲しいのか?」

 夫が訊ねた。

「ううん、見てるだけ」

 答えたのはいつかのあの女だった。白いワンピースを着たあの女・・・・・・





■筆者メッセージ
はい、これで終了です。


絹革音扇 ( 2014/03/31(月) 20:11 )