第19花ーバーベナ
いつも以上に求められている気がした。それはそれで嬉しい。俺はここで、美波に求められている。その事実は俺がここにいてもいいということの証明のようだった。
ここにいてもいいと認めてくれる美波のために懸命に腰を振る。
「んっ、あっあっあっあっ、そこっ…、そこだめっ…」
「くっ…、美波、美波!」
正常位で美波を抱き締めながら一心に、美波のために動いた。美波の秘壺は程よく俺自身を締め付け、うねうねと蠢いて俺に悦びを伝える。
「ねっ、キス、してっ…」
優しく唇を重ね、少しずつ舌を美波の口内へと侵入させていく。美波の舌は美波と別の意思を持つかのように俺の舌と絡む。にちゃにちゃと淫靡な音と互いの息遣いが耳に届いた。
「あっ、ねっ、そこすきぃぃ…、イっちゃう…」
「やばい、俺もそろそろ…」
「ね、一緒に…、一緒にイキたい…」
俺は頷いて、腰の動きにスパートをかける。美波のくびれた腰を掴んで美波の奥へ奥へと快楽を伝えていく。
「美波、やばいっ、俺もう…」
美波から引き抜こうとすると、美波がその綺麗な脚を俺の腰に絡めて抜けないようにロックしてきた。
「だめっ、抜かないで…」
「それはさすがにまずいよ、美波離して」
「だめっ、私の中に欲しいの、中じゃなきゃいや」
そう言って美波はさらに俺自身を締め付けてきた。
「ねぇ、ほんとにだめだって、出ちゃう…」
「いいから、出して、大丈夫だから」
俺はついに限界に達した。俺は快楽の波に呑まれ、美波の中へと俺の欲望を吐き出した。それと同時に美波の体が大きく跳ねた。
疲れ切った俺は美波の横に倒れ込んだ。しばらくはお互いの肩で息をする音だけが室内にこだましていた。
「美波、ごめん…。」
「なんで春樹君が謝るの?私がそう望んだだけ。
…それに私は今すごく満たされてるから。」
俺は美波に抱き締められながら、罪悪感の刃で心がズタズタに引き裂かれていた。何も言えず、ただ美波に頭を撫でられるだけ。俺が何かできるわけもなく、ただそうされるだけで夜は更けていった。