後日譚ー美彩編ー
私は彼女から聞いた3年前の真相と1週間前の事実に衝撃を受けていた。どこをどう歩いて家へ帰ったかなんて覚えていなかった。確か、コンビニで買った安いワンカップを飲みながら帰ったはずだ。真っ昼間からワンカップ飲んでる若い女性って他人からはどう写るのだろう。ふと、そんなことを思った。
スマホの着信音で私は目を覚ました。どうやら、ソファーで考えごとをしたまま眠ってしまっていたようだ。今まで優暉の一番近くにいてどうして気づいてあげられなかったのだろうか?永遠に答えの出ないであろう問いが頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。スマホはまだなり続けていた。重い体に鞭を打って電話に出ると警察からだった。内容はあの子が病室で自殺を遂げたこと。「わかりました」とだけ言って電話を切った。
自殺を遂げたと聞いて、私の中で何かよく分からない感情が渦巻いていた。あいつが自殺したことに対する清々しさ?よく分からない。でも、優暉を誑かし続けたあいつが死んだ。一種の喜びだろうか?よく分からない。
家にあった一番良い日本酒の一升瓶を開けた。もう、どう生きていけば良いのか分からない。酒に逃避したって何かが始まる訳でもないし、終わる訳でもないのに、1人酒は進んだ。気づけば一升を飲み切っていた。でも、飲み足りない。しょうがないから買い足しに出かけることに決めた。
ほろ酔い程度だと自分では思っていた。けれど、かなり泥酔していたようだ。コンビニに向かったはずだ。でも、気づけばあの場所に来ていた。黄色い規制線が張られていたが、気にすることなくそれをくぐる。ここで優暉は死んだ。どうして優暉だったのだろう。優暉は悪くない。何も。そう、優暉は悪くない。にわかに雨が降り出した。
優暉は悪くない。ずっとそう思って生きてきたし、優暉を慰め続けて来た。もしかすると、優暉に依存していたのは私なのかもしれない。自虐的な笑みが浮かんだ。そう、優暉は何も悪くない。優暉は何も・・・・・・