第1話
時刻は真夜中の2時になった頃だろうか…。
優暉「や、やめろ!俺は悪くない!悪くないから、やめてくれ…未央奈!」
そこで衛藤優暉は目を覚ます。どうやら、夢だったようだ。体中、冷や汗をぐっしょりとかいている。その時、優暉の部屋のドアが控え目にノックされる。
美彩「優暉、起きてる?」
優暉の2つ上の姉、美彩だった。
優暉「起きてるよ」
優暉が応えると、ドアが開き美彩が入ってきた。
美彩「また夢?優暉は何も悪くないんだから大丈夫だよ」
『何も悪くない』。3年間、自分にそう言い聞かせ続けてきたし、姉を始めとする人たちにも幾度となく言われた。しかし、優暉は『何も悪くない』を聞くと、胸の中にドス黒い何かが広がっていく気分になるのだ。
優暉「ありがとう、姉さん」
美彩は首を振ってから優暉を抱き締め、頭を撫でる。
美彩「大丈夫。優暉は何も悪くない」
それが優暉の首を締めつけていくことも知らずに、言い含めるようにささやく。
未央奈の命日まであと20日ー。