第13話
優暉が飛鳥を追って屋上に辿り着くと、飛鳥は3年前に未央奈が立っていた場所と同じ場所に立っていた。
飛鳥「ねぇ、優暉 早く来てよ」
優暉「おい…飛鳥やめろって」
飛鳥「早く来てってば!!」
飛鳥が声を荒らげた。それに気圧された優暉はゆっくりと飛鳥に近づいた。
飛鳥「3年前…未央奈が死ぬ直前まで立ってた場所」
飛鳥が呟いたその言葉に優暉は驚いた。
優暉「なんで…飛鳥が知って…」
飛鳥「だって、私見てたから。全部」
優暉にあの鈍痛が久しぶりに襲う。そして、再びの驚き。やがて優暉は納得した表情に変わる。
優暉「目撃者って、飛鳥だったの…?」
飛鳥「未央奈に頼まれてたからね」
優暉「どういうことだ…?飛鳥なんで…?」
飛鳥「私、優暉と付き合い始めた日に少しだけ嘘を言った。『 未央奈と両思いなのを知ってたから。邪魔なんかしたくなかった。』って。でも、ずっと好きだったのは紛れもない事実だから。それで?『 なんで?』か…。そもそも優暉と未央奈が付き合い始める前に未央奈とした契約が全ての始まりだったの」
飛鳥は一呼吸置いてから再び語り始める。
飛鳥「ある日の放課後だった。私が未央奈と契約を結んだ日は。『 少しの間でいいから私に優暉君を貸してほしい』そう言われた。その時は何のことだか全く分からなかった。けど、同時に未央奈から自ら命を断つこと。そして、そのために優暉を利用しようとしていること。私は未央奈が優暉を好きだと思ってたから寝耳に水だった。でも、私は嬉しかった。だって、少しの間だけ優暉と付き合わせるだけでライバルだと思ってた未央奈が勝手にいなくなるから。でも、私は1つだけ条件を付け足した。それは、優暉が未央奈を突き落とすであろう現場に私を呼ぶこと」
優暉「なんで…そんなことを…」
飛鳥は間髪入れずに応えた。
飛鳥「それはもちろん優暉を手に入れるため、だよ」
真っ黒な空からは雨が落ちてきた。やがてそれは大雨となって、2人を打ちつける。