第12話
それから先、覚えているのは警察から色々と聞かれたことだけ。正直、何を話したか全く思い出せない。未央奈を殺した。その事実だけが俺の中を駆け巡っていた。
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優暉は墓前で涙を流していた。全身の水分が流れていくようだった。
時刻は17時。いつの間にか優暉は自宅のベッドで横たわっていた。家に帰った記憶が優暉には無かったが、どうにか帰宅したのだろう。その時、メールの着信音が鳴った。優暉がメールを開くと、飛鳥からだった。
『どうしてもすぐに会いたくなったから、会ってくれないかな?』
優暉は迷った。しかし、すぐに行くことに決める。場所はいつもの駅だった。
優暉が駅に着くと、飛鳥が既に待っていた。
飛鳥「ごめんね?急に呼び出したりなんかしちゃって」
優暉「全然大丈夫だよ。こんなこと初めてだし。どうかした?」
飛鳥「なんでもないよ。ただ、寂しくなっちゃったから」
優暉「そっか。立って話しててもしょうがないからどこか行こっか」
飛鳥「それなら、行きたい場所があるの」
優暉「どこ?」
飛鳥「いいから、ついて来て?」
飛鳥にそう押し切られた優暉。手を繋ぎ寄り添う2人は通行人から見ても、幸せで満ちているようだった。
飛鳥は急にその足を止めた。
飛鳥「着いたよ」
優暉「おい、飛鳥…。ここって…」
飛鳥「良いから、入ろ?」
飛鳥はそれだけを言って、ガラスのドアを押し開け、奥へ向かう。
優暉「おい、飛鳥ってば!」
それ以上優暉が問いかけても、飛鳥は妖しげな笑みを投げかけるだけだった。優暉はそのドアに入った名を少し見やってから飛鳥のあとを追っていった