第10話
2日後、優暉と飛鳥は電車に乗って遠出をしていた。行き先は街中にある映画館。駅で電車を待っている時に、飛鳥は一昨日取り乱したことをしきりに謝った。優暉も、快く謝罪を受け入れて飛鳥に謝った。
優暉「飛鳥もこういう系の映画観るんだな」
映画館を前にして優暉が呟いた。
飛鳥「良いじゃんこういうの見たって」
飛鳥が選んだのは、主人公が偶然にマフィアについての極秘情報を手に入れてしまい、マフィアに追われるというアクション映画だった。
優暉「いや、悪い意味で言ったつもりは無いよ。でも飛鳥なら純情ラブストーリーとかを観るのかなって思って」
飛鳥「確かにそういうのも観るけどさ。ま、早く入って座ろ?」
2人が座ると、17時上映の映画が始まった。
飛鳥「いやー、ハラハラして面白かったね。控えめに言っても」
優暉「最後の場面が良かったな」
2人が会話しているのは、映画館のすぐ近くにあるレストランだった。ハンバーグを口に運びながら飛鳥は聞く。
飛鳥「明日は講義ないけど、何するの?」
優暉「明日はちょっと家でゆっくりしてようかなって」
明らかに嘘だと分かった飛鳥。なぜなら明日は未央奈の命日。墓参りにでも行くのだろう。飛鳥はそこまで考えると口を開いた。
飛鳥「そっか、じゃあ次会えるのは明後日だね」
2人は食事を終えて店を出る。そして、どちらともなく手を繋いで家路につくのだった。
未央奈の命日まであと1日ー。