第7話
カーテンの隙間から陽光が射している。その光で優暉は目を覚ました。見慣れない天井が視界に入り、ふと優暉は横を見るとそこには、一糸まとわぬ姿の天使が眠っていた。どれほど彼女を見つめていただろうか。彼女の瞼がゆっくりと開いた。
飛鳥「おはよう、優暉」
優暉「おはよう」
飛鳥「昨日は本当にありがとう。優暉が私に振り向いてくれて嬉しかった」
優暉は頷いて、飛鳥の華奢で柔らかな躰を抱き寄せ、頭をゆっくり撫でながら唇を重ねた。2人はささやかだが幸せなひとときを過ごした。
優暉が自宅に戻るとリビングには美彩がいた。
優暉「あれ、姉さん講義は?」
美彩「おかえり、優暉。今日は講義は無いわ。それより、朝帰りなんて初めてね?」
優暉「あ、あぁ。ちょっと色々あってね」
美彩「彼女でもできたの?飛鳥ちゃん?」
図星だった。どうやらそれは優暉の顔にも出ていたようだ。
美彩「図星か…。でも、ちゃんと優暉のことを分かってくれてる娘で良かった。これで優暉も前に進めるね」
優暉「今まで、心配かけてごめんね」
美彩は静かに首を横に振り、優暉を抱き締める。
美彩「優暉は何も悪くなんかない。今まで自分を責めて辛かったよね。大丈夫だよ。神様が見てくれてるから。優暉は悪くなんかないないよ」
優暉の心の中で何かが黒い影を落とした。それでも優暉はこれ以上心配をかけさせないように声を絞り出す。
優暉「ありがとう姉さん。俺は…俺は何も悪くない」
美彩「そう。優暉は何も悪くない」
「ピシッ」優暉は地面に亀裂が走ったような音を聞いた。そんな気がした。
未央奈の命日まであと9日ー。