4章
02
おとんが病室に移された。

「おとん、大丈夫か?」

「痛ててて、おう無事やで」

「お父さん、ビックリしたで」

「菜緒、大きくなったな」

「社長、ご無事でなによりです」

「そんなことええって。いやービックリしたわ」

「俺達もおかんから倒れたって聞いて飛んできたで」

「悪かったな」

「あなた、明日退院やからな」

「おう、月曜からまた仕事か」

「社長、無理なさらないで、休んでください」

「しかし、俺がおらんとお前らに迷惑かけてしまうやろ」

「大丈夫です。トラックのネジ5000個、俺達がやってみせます」

「そうか、じゃあたまにはゆっくりしよか」

俺達はおとんと話したあと、病院を出た。
源さんに送ってもらい、家に帰る。久しぶりの実家だ。

「いつまで居るん?」

「日曜の最終の新幹線で帰るよ」

「そうか、ゆっくりできるな」

ピロン

LINEがきた。見てみると友達の真司からきていた。

『裕翔、今こっちいるんか?』

『おう、おとんが倒れたから』

『親父さん、大丈夫なんか?』

『盲腸やって』

『そうか。日曜日、飲みに行かへん?』

『ええな』

『じゃあ、7時に駅集合な』

『わかった』

LINEを切った。

「誰から来たん?」

菜緒が訪ねてくる。

「真司からだよ。日曜日飲みに行く約束した」

家に着くと源さんは帰っていった。

「久しぶりだな」

3人でご飯を食べてその日は自分の部屋で寝た。

次の日、おとんが退院するので病院に来ていた。

「元気そうやな」

「おう、点滴打って、30分くらいで帰れそうや」

みんなで話していると看護師がやって来た。

「小坂さん、お疲れ様でした」

看護師が点滴を外す。

「いやーほんとうにありがとうございました」

「いえいえ」

着替えて源さんの車に乗った。

「社長、退院おめでとうございます」

「ありがとうな」

家に着くと、工場の人達がやってきた。

「社長、お疲れ様でした」

「そんなことええって」

そしてみんなで夕飯を食べる。

「いやー、おかんの飯はうまいわ〜」

「おとんはいつも食ってるやないか」

「病院の飯は味が薄くてうまくなかったからな」

そして夜になり寝る時間。
俺はあることを思い出した。

「今日オードリーのオールナイトニッポンだ」

radikoをつける。

『え、若林さんほんとにこれやるの?』

『分かりましたやらなくて大丈夫です』

『やるよ!!!』

2人のトークに耳を奪われていると、

「お兄ちゃん」

菜緒がやってきた。

「いっしょに寝よ」

「おう来いや」

「やった」

菜緒は俺の布団に入る。

「何聞いてるの?」

「オードリーのオールナイトニッポン」

「私も聞く」

『最近さインコの真似するのにハマってるんだよね』

『どんな感じなの?』

『アーイソガシッ、パワーセックス、チャチャノスタンプモウカルナ、アタシノtバックドコダッケ?』

『なんだこのインコは!』

『クミさん言ってるんじゃない?パワーセックス、チャチャノスタンプモウカルナ、アタシノtバックドコダッケ?』

『言う訳ないだろうが』

いつの間にか眠りについてしまった。



ジェリー ( 2020/05/04(月) 15:47 )