遠恋









小説トップ
第4章
01 下準備。
人を好きになること。そのきっかけは何通りもあり、無限大だろう。俺が李奈を好きになったのはなんでだろう。一緒にいるうちに自然に気持ちが傾いたからだろうか。逆に、李奈はどうして俺を好きになったんだろう。


そんなことは、本人にしか分からない。
今年こそは富山の花火大会に李奈を誘って、俺は李奈に告白する。


花火大会まであと数日。8月まであと2日に迫っていた。7月の最後の日曜日は俺と翔伍と李奈と数人呼んで、バーベキューをする予定を立てていた。


「よし、準備オッケー」


前からバーベキュー用品を買い揃えていた翔伍は、必要なクーラーボックスやトングをまとめていた。


「またあいつらか?」


「まぁな。雅史は?」


「会社の先輩1人と、翔伍がリクエストしてた咲良。来てくれるってよ」


「流石。雅史、いいセレクト」


親指を立てて、いいねのポーズ。李奈も連絡したら、行くと言ってくれた。


「どこですんの?」


「親父の知り合いに交渉して、海の見える別荘みたいなとこを貸し出してもらえることになったんだ。びっくりすんべ、マジでめちゃくちゃいいとこだから」


「そりゃ、いいな」


「だろ?」


将太さんは奥さんと息子さんとの家族タイム。太一さんは、古本屋回りが忙しいからと断られた。そのかわり、まりやさんが参加したいと言ってきたので、断る理由もなく快諾した。


それに翔伍が車を出してくれるらしい。
大いに助かる話だ。


「あしたは9時出発な。寝坊すんなよ」


「しねーよ。目覚まし掛けっから」


ベッドに倒れ込む。
窓から見える東京のビルの夜景を見ながら、深い眠りに落ちていった。

ガブリュー ( 2015/12/19(土) 18:32 )