双子の神
今より遥か昔の事、
喧嘩界は双子の神によって創造されました。
兄の名はウォクタパス。
弟の名はゴープ。
ウォクタパスは論理と整然を、ゴープは意地と混沌を、
それぞれ喧嘩界に与えました。
ウォクタパスとゴープは双子の兄弟です。
兄のウォクタパスは愛され、尊敬されました。
弟のゴープは恨まれ、畏れられました。
兄弟はいつも互いに憧れを持っていました。
ウォクタパスはゴープの強さに、ゴープはウォクタパスの魅力に憧れていました。
ウォクタパスとゴープは喧嘩界を創造する際に、楽園を作り上げ、
互いに仕える神官を競わせていました。
神官達は神の意志に従い日夜を問わず戦い続けました。
技術を競い合う中で、互いに尊重しあっていました。
神官達は双子の神にそれぞれ仕え、それぞれの教えの通り戦いました。
しかし、双子の神の教えはいつも相反していました。
ウォクタパスは神官達に愛され、尊敬されていました。
ゴープは神官達に恨まれ、畏れられていました。
ある時、神官の一人がゴープの教えに背きました。
ゴープは怒り、彼を楽園から追放しました。
神官達は、ゴープのこの行為に怒り、皆ゴープの元から離反しました。
ゴープは怒りました。怒りの果てに暴走しゴープは、
ついには神官達を皆、楽園から追放しようとしました。
神官達はこれに抗い、ゴープと戦いました。
ウォクタパスは胸を痛めながらも、これを静観していました。
そして、一つの結論を導き出しました。
ゴープの堕天と封印です。
ゴープの暴走と、堕天、それに伴う戦いで楽園は崩壊しました。
地は荒れ果て、ゴープの瘴気が渦巻く楽園に、
もはや住み着くものはありませんでした。
それから、神官達はそれぞれ楽園を去り、各地に喧嘩を伝え広めました。