第三章『住む世界』
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 篠田とは上野駅で別れ、最寄りの駅までたどり着いた2人はお互いに手を振り合って駅で別れた。

 駅を出て、帰りのバスに乗り込んだ後も小坂は自分の表情が緩んでしまっていないか、気になって仕方が無かった。

 こんなことになるとは彼女自身も予測していなかった。多少強引ではあったが、友人に協力してもらい、篠田と"友達"になれた事が嬉しくて仕方なかったのだ。

 家に帰るとやはり顔に出ていたのか、母親から何かあったのかと尋ねられたが、何でもないと手振りを返すと、彼女は足早に自分の部屋へと戻っていった。

■筆者メッセージ
にやにやこしゃ。

筆者、今更"DASADA"を履修し始める。
黒瀬リュウ ( 2021/10/12(火) 17:00 )