第一章『絶対命令』
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気が付けば、自分の体は自由が利かなくなっていた。

手足には枷がはめられ、ベッドの四本の柱に鎖でつながれている。

いつの間にか下着姿にされた自分の下半身に違和感を感じ、顔を下に向けると、これまで下に見てきた男に、卑猥な音を立てながら、彼女の蜜壺を激しく啜っていた。


「きゃぁぁっ!な、何してるのよ!」

「やあ、おはよう」

「アンタ、何してるの・・・!」

「何って、姫の美味しいジュースを飲んでるんだよ」


笑顔で答え、口元を拭った彼を見て、中井は顔を引きつらせていた。


「私をこんな目に合わせて、どうなるかわかってるんでしょうね?」


彼女の言葉に、村田は高らかに笑い声をあげた。

何もない無機質な部屋にその声が広く響き渡り、虚しく消えて行った。

声が消えた後、彼は中井の体の上に馬乗りになり、顔をゆっくりと近づけ、低い声で囁いた。


「何もないお前に、何ができるって言うんだ」

「えっ・・・」

「すべてを失ったお前に、できることなんて、何もないんだよ」


彼の低い声に、中井はただただ恐怖しか感じられず、成す術のない自分に絶望を感じていた。

■筆者メッセージ
いよいよ開幕です。

あー、映画が見たい。

作品に関するご意見やご感想、その他等々のコメント、またリクエスト等々、引き続きお待ちしております。
黒瀬リュウ ( 2017/07/14(金) 15:53 )