13
翌日、中井りかはホテル街を学生服姿で一人歩いていた。
数ヶ月前からお小遣い稼ぎのために始めている援助交際。
彼女はクラスのほとんどが手を洗った今でも、その快感と楽してお金が手に入るということから、なかなか手を洗えずにいた。
この日、ホテルの一室に入ると、いかにも地味な中年男性が一人、スーツ姿で待っていた。
「こんばんわ、"姫"でーす」
「こ、こんばんわ・・・」
「もしかして、初めてですかー?」
「そ、そうなんです・・・」
カチコチに固まっている男性の横を通って、ベッドに鞄を放り投げた中井は、慣れたように男性に近づき、腰元に手を置き、緊張する彼をゆっくりベッドの上に押し倒した。
数日が経ち、中井が学校にやってくると、学校中の生徒から一斉に視線を浴びた。
最初は、自分の美貌に皆が振り返っているのかと浮かれていたが、教室に近づくにつれ、皆の表情を読み取り、どうやらそうではないということがわかり、不安な気持ちが募っていくばかりだった。
クラスの中に入ると、黒板に大きく書かれてあった文字を見て、彼女は目を丸くさせた。
『中井りかは変態ビッチ』と大きく書かれたその黒板の周りには、彼女がベッドの上で乱れている様子が収められた写真が大量に貼られていた。