第一章『絶対命令』
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如何にしたら彼女を地獄に突き落とせるか。俊哉はそればかりを考えていた。

彼女にも泰助と同じ苦しみ、いやそれ以上の苦しみを味わわせるのだと。


「りか姫の秘密?」


取り巻きの一人である中村歩加に尋ねた。

なぜそんなことを聞くのかと不振がられたが、彼女を守る親衛隊の一人として、何か漏れてはいけない秘密でもあれば、自分も把握しておいたほうがよいと思ったからと説明すると、納得したように頷いた。


「ここだけの話なんだけどね、最近女子の間で援交が流行ってたでしょ?」

「えっ、そうなの?」


知らなかった。そもそもそんなのが流行りなど、世も末だと思ったが、もともと低ランク層に所属していた俊哉にとって、そんなこと知るはずもなかった。


「あれ、もともとりかがやりだしたんだけど、なんか飽きたとかいって終わったらしいのね。それでうちらのあいだでも援交の流行りは終わったんだけど、どうやらりか、まだやってるらしいの、援交」

「どうして?」

「わかんない。けどなんか、りか、最近家に全然帰ってないんだって」


これはいいことを聞いた。俊哉はふうんと中村の言葉に相槌を打ちながら、気づかれないように口角を少し上げた。

■筆者メッセージ
いよいよ向かいますよ。今しばらくお待ちを。

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黒瀬リュウ ( 2017/06/29(木) 16:30 )