第七章:すれ違う理想と現実のはざまで
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 お盆が明け、夏も少しずつ終わりを告げてきた頃、食堂いりやまでは大介が一人、昼の営業に向けて仕込みをしている所であった。
 黙々と仕込みを続けていると、岩田商店の裕二が米の配達にやってきた。

「毎度、岩田商店です。お米さ持って来たっす」
「ほい、ごくろうさん」

 いつものように10キロの米を運び終え、伝票にその日の卸した数を記入しながら、裕二は、調理場の奥にかけられている割烹着を一瞥しながら、大介に話しかけた。

「杏奈さん、最近見ねえですね」

 すると大介は黙ったまま、表情を強張らせ、包丁を乱暴におろして、豚肉の筋を切っていた。
 彼の様子から見て、ここ数日、彼女が家に帰ってこないという噂は本当だったのだろう。この様子では店も手伝っているとは思えない。
 何か自分にできることはないだろうか。そう思った裕二は二人の会話のきっかけにでもなればと、彼女から借りていた雑誌をテーブルに置いた。

「こいつぁ、杏奈さんさ渡してけらっしゃい。ずぅっと借りてばっかりで」

 だが大介はちらりと雑誌を見ただけで、何も答えることなく、黙々と仕込みの準備を続けていた。
 裕二は駄目だったかと小さくため息をついて、再び厨房奥の割烹着を見つめた。

■筆者メッセージ
杏奈ちゃん、行方不明事件。

最近、れなっちとあんにんが美しいなと感じているこの頃。
ああいうビジュアルメンがもっともっと増えてくれると、女性ファンも増えて
また前のように活気が取り戻せるんじゃないかなって思うんですけどね。
やっぱり最近は乃木坂ばっかり女性誌に出ているから、それはかなわないのかな。

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黒瀬リュウ ( 2017/07/13(木) 13:15 )